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香港では子供の飲酒が10歳ごろから 習慣化で宿題サボりも

若年飲酒が問題化する香港

 香港では子供の飲酒が10歳ごろから始まっており、世界的にも最も早い飲酒開始時期になっていることが分かった。その原因は親が飲酒を認めるなど中国社会全体の飲酒への寛容さ、コンビニエンスストアで酒類購入の際、店員が注意しないなどのルーズさがあるとみられる。

 香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が香港理工大学の研究チームによる少年へのアンケート調査結果として報じた。

 同大学の研究チームは小学校6年生(12歳)の児童、840人にインタビュー。それによると、そのうちの約38%に当たる319人がすでに飲酒を経験しており、平均して10歳のときに飲酒したと答えたという。

 香港では飲酒は18歳からと定められているが、同大学の研究チームでは「香港の青少年は18歳の時点で、ほぼ100%飲酒経験がある」と見ている。

 飲酒が習慣化すると、不登校や宿題をしてこないなどの問題行動が表れるケースが、飲酒しない生徒に比べて約5倍以上も多いことも、今回の調査で分かったという。

 飲酒を始めるきっかけは「友達から誘われた」が最も多く、飲酒癖のない友人を持つ生徒に比べて、飲酒癖がある友人を持つ生徒が飲酒を習慣化する確率は33倍も高かった。

 少年の飲酒習慣を食い止めるには交友関係が重要なファクターになっていることが今回の調査によっても改めて明らかになっている。

 このほか、中国社会が飲酒に寛容であることや、両親や祖父母など家庭でも、少年の飲酒を容認する傾向が強い。さらに、外部環境としては、コンビニなどで簡単に酒類が手に入ることや、西欧諸国に比べても、ビールなど酒類の価格が非常に安いことが挙げられている。

 研究チームは今回の結果をもとに「諸外国では社会全体が飲酒に関して厳しい態度をとっているが、香港など中華圏の場合、取り締まりの規定がないに等しい。世界保健機関は毎年330万人がアルコール摂取過多で死亡していると発表しており、旧ソ連のように、全人口に占めるアルコール依存症の割合が高い国は治安的に問題が多かったように、香港も同じような傾向が強まっていくことになろう」と警告している。

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