衆院を解散する意向の高市早苗首相(時事通信フォト)
突如、永田町に吹き荒れた“解散の風”。嵐の中心には、高市早苗首相(64才)がいた。秘密主義を貫き、心の内を誰にも明かさない彼女だが、年末から少しずつ焦燥を募らせていたという。女性宰相を追い込んだ3つの要因と、税金をつぎ込んで突き進む選挙戦の行方を詳報する。
驚天動地の解散報道から一夜明けた1月10日。自民党の幹部たちの携帯電話の画面には、電話が苦手で有名な“あの人”の名前が次々と表示されていた。電話口の口調は思いのほか軽やかで「解散も選択肢として残したいので、そのつもりでよろしく」と要件のみを告げられたというが、彼女の真意を測りかねた幹部たちは皆、携帯を握りながら一様に首をかしげていたという──。
《高市首相(自民党総裁)は9日、23日召集が予定される通常国会の冒頭で衆院を解散する検討に入った。衆院選は2月上中旬に実施される公算が大きい》
読売新聞がこう報じたのは、1月の3連休前の金曜深夜。高市首相が、解散総選挙に打って出るという報道に接し、永田町は上を下への大騒ぎとなった。
「高市首相は連休明けに解散の決意を固めたようですが、本当に冒頭解散するなら国会召集をもっと早い日程にすべきでした。そもそも、年度内の予算成立は政権の最重要事項。2月の上中旬に投開票するのなら、年度内の予算成立は絶望的です。つなぎとして必要最低限の経費を計上する暫定予算を組むしかなくなり、夏頃までは正式な予算成立が遅れることになる。
国会召集日を1月23日に決めた昨年末の段階では、高市さんも解散を決めていたわけではないはず。少なくとも、永田町では『年明け早々の解散はない』と受け止められていました。そのため、すでに『チグハグ解散だ』という声もあがっています」(自民党関係者)
これまで高い支持率に支えられてきた高市政権だが、首相が解散を検討し始めた背景には3つの要因があるという。
「1つは『週刊文春』(1月8日発売)が新たに報じた旧統一教会問題。教団の日本における政界工作を記録した内部文書を暴いた記事で、290人もの自民党議員が旧統一教会と関係があったとされています。文書には高市首相の名前もあり、一連の問題が再燃すると予想されます。
2つ目は不祥事。最近、自民党元議員の妻がコロナ補助金の不正受給で逮捕されたのですが、夫である元議員にも連座するとみられている。さらに、捜査の進展次第では、ほかの自民党議員にも波及するとの情報があり、この騒動が政権を直撃する可能性が囁かれていたのです」(前出・自民党関係者)
そして、3つ目が対中関係だ。
「首相自身の台湾有事を巡る答弁に端を発し、中国は日本への反発を強めています。レアアースの輸出が止められれば代替手段はなく、経済への悪影響が懸念される。サナエノミクスが大きな支持要因だっただけに、経済でつまずくと政権の支持率も下降するかもしれません」(前出・自民党関係者)
こうした要因が影響し、首相の胸中に吹き始めた“解散風”。急転直下の解散を巡っては、首相とごく限られた側近だけで検討したという。
「高市内閣の製造責任者を自認する麻生太郎元首相やほとんどの党幹部が寝耳に水の状態だったといわれています。実際、麻生さんの義弟である鈴木俊一幹事長も読売の配信記事が出たときには、地元の岩手に帰ってしまっていた。麻生さんに本当に情報が入っていなかったのだとしたら、内心は穏やかではないでしょう。党内からは『自民党軽視だ』という反発の声も聞こえてきます」(前出・自民党関係者)
