国際情報

北方領土問題に大前研一氏「3島返還になる可能性が高い」

プーチン大統領は「面積等分方式」がお気に入り Reuters/AFLO

 安倍首相とプーチン大統領の北方領土交渉がいよいよ大詰めを迎えている。多くの首相たちが解決を目指し、そして挫折してきた北方領土問題は、いったいどのような形で決着するのか? 大前研一氏が解説する。

 * * *
 北方領土問題は、12月に来日するプーチン大統領と安倍晋三首相の“山口会談”で大きく進展するのは間違いない。新聞・テレビは「2島先行返還・2島継続協議」「共同統治」などと報じているが、私は、プーチン大統領はお得意の「面積等分方式」を提案する(もしかすると、すでに提案している)と思う。

 これまでにプーチン大統領は、中国との係争地だった大ウスリー島の面積を二等分することで国境を画定し、北極海のノルウェーとの係争海域についても二等分で40年に及ぶ境界線論争に終止符を打った。この歴史を踏まえて私は以前から、柔道愛好家として知られるプーチン大統領が日本に対して投げかけた「引き分け」という言葉の意図は、北方領土の面積等分による決着であろうと指摘してきた。

 安倍首相は5月にプーチン大統領と会談した際、北方領土問題に関して「今までのアプローチとは違う新たな発想で交渉を進めないといけない」と提案したとされるが、これは面積等分方式を念頭に置いたものだったのではないだろうか。

 面積等分方式であれば、歯舞群島、色丹島、国後島と択捉島の約20%が返ってくることになる。しかし、択捉の陸上に国境線ができると出入国管理など難しい問題が多々生じるので、とりあえず歯舞、色丹、国後の「3島返還」になる可能性が高いと私はみている。

※SAPIO2016年12月号

関連キーワード

トピックス

第1子を出産した真美子さんと大谷(/時事通信フォト)
《母と2人で異国の子育て》真美子さんを支える「幼少期から大好きだったディズニーソング」…セーラームーン並みにテンションがアガる好きな曲「大谷に“布教”したんじゃ?」
NEWSポストセブン
俳優・北村総一朗さん
《今年90歳の『踊る大捜査線』湾岸署署長》俳優・北村総一朗が語った22歳年下夫人への感謝「人生最大の不幸が戦争体験なら、人生最大の幸せは妻と出会ったこと」
NEWSポストセブン
コムズ被告主催のパーティーにはジャスティン・ビーバーも参加していた(Getty Images)
《米セレブの性パーティー“フリーク・オフ”に新展開》“シャスティン・ビーバー被害者説”を関係者が否定、〈まるで40代〉に激変も口を閉ざしていたワケ【ディディ事件】
NEWSポストセブン
漫才賞レース『THE SECOND』で躍動(c)フジテレビ
「お、お、おさむちゃんでーす!」漫才ブームから40年超で再爆発「ザ・ぼんち」の凄さ ノンスタ石田「名前を言っただけで笑いを取れる芸人なんて他にどれだけいます?」
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
「よだれを垂らして普通の状態ではなかった」レーサム創業者“薬物漬け性パーティー”が露呈した「緊迫の瞬間」〈田中剛容疑者、奥本美穂容疑者、小西木菜容疑者が逮捕〉
NEWSポストセブン
1泊2日の日程で石川県七尾市と志賀町をご訪問(2025年5月19日、撮影/JMPA)
《1泊2日で石川県へ》愛子さま、被災地ご訪問はパンツルック 「ホワイト」と「ブラック」の使い分けで見せた2つの大人コーデ
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で「虫が大量発生」という新たなトラブルが勃発(写真/読者提供)
《万博で「虫」大量発生…正体は》「キャー!」関西万博に響いた若い女性の悲鳴、専門家が解説する「一度羽化したユスリカの早期駆除は現実的でない」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《美女をあてがうスカウトの“恐ろしい手練手管”》有名国立大学に通う小西木菜容疑者(21)が“薬物漬けパーティー”に堕ちるまで〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者と逮捕〉
NEWSポストセブン
江夏豊氏が認める歴代阪神の名投手は誰か
江夏豊氏が選出する「歴代阪神の名投手10人」 レジェンドから個性派まで…甲子園のヤジに潰されなかった“なにくそという気概”を持った男たち
週刊ポスト
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
悠仁さま、筑波大学で“バドミントンサークルに加入”情報、100人以上所属の大規模なサークルか 「皇室といえばテニス」のイメージが強いなか「異なる競技を自ら選ばれたそうです」と宮内庁担当記者
週刊ポスト
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン