国内

六代目山口組 ハロウィン復活は劣勢の風評払拭のためか

2014年に開催された際の様子(撮影/鈴木智彦)

 渋谷、六本木などでコスプレ姿の若者相手に警察が出動する騒ぎになっていた10月31日、神戸市灘区では、もっと緊張感のあるハロウィンが行なわれていた。

「パイの実」や「パックンチョ」、「ポテトチップス」など、様々な種類のお菓子が詰まったサッカーボール大ほどの袋が、子供たちに配られていく──異様なのはその周囲に、目を光らせる警察官たちがいたことだ。場所は六代目山口組総本部近くの神社。

「この“イベント”は一昨年までは周辺住民の不安を柔らげるために、毎年の恒例行事となっていたものでした。それが昨年は8月に分裂騒動が起きたために『諸般の事情により中止』という掲示が総本部前に出された。今回は2年ぶりの“復活〟となったのです」(捜査関係者)

 お菓子の配布は、31日の午後5時から約1時間にわたって行なわれた。例年同様、周辺住民の緊張を柔らげる狙いがあったのは間違いなさそうだが、今回はそれに加えて別の理由もありそうだ。暴力団問題に詳しいジャーナリスト・伊藤博敏氏が解説する。

「去年の分裂のあと、総本部近くの住民たちの間では、“神戸山口組サイドが襲撃してくるのでは”と不安が高まっていましたから、関係をよくしたいという思いは当然あるでしょう。でもそれだけではありません。

 六代目側は神戸側に対して“余裕を見せたい”という考えがあるのではないか。“メディアを使った情報戦で神戸側に押されていて劣勢”という風評が少なからずあり、それを払拭したいのだと考えられます。ハロウィンを復活させることで、“こちらはいままで通りやっている”“神戸側が劣勢だ”ということを暗に示したいのだと思います」

 睨み合いの状態が続いている「2つの山口組」抗争。すでに神戸山口組系幹部が射殺される事件が起きており、次に神戸側からの「返し」が行なわれたら、次こそは本格抗争につながると伊藤氏はいう。

 果たして、ハロウィンでの“住民懐柔作戦”は吉と出るか凶と出るか──。

※週刊ポスト2016年11月18日号

関連記事

トピックス

グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
民放ドラマ初主演の俳優・磯村勇斗
《ムッチ先輩から1年》磯村勇斗が32歳の今「民放ドラマ初主演」の理由 “特撮ヒーロー出身のイケメン俳優”から脱却も
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン