国内

「亡き父の保険金で車を買え!」引きこもり長男との戦い

62才女性が引きこもりの長男との戦いを語る

「自らの半生を見つめ直し、それを書き記すことによって俯瞰して、自らの不幸を乗り越える一助としたい」。栃木県の吉岡清子さん(62才)は、そんな思いから手記を寄せた──。

 大手電気工事会社の下請け会社を経営していた吉岡さんの夫は14年前、55歳であっけなくこの世を去った。「鬼の親方」と恐れられていた夫が亡くなると、問題行動が多かった長男が引きこもり状態になったのだ。

 * * *
 家の中で生ごみ化している息子を、このまま放っておくわけにはいきません。顔を合わせれば、息子を責めたて、「出て行けっ!」と床のごみを投げつけると、「てめえこそ出て行け。おれは長男だ。ここはおれの家だ」と、息子も投げ返してくる。

 こんなことをいつまでしていても何にもなりません。何とか抜け出す道はないか。私は、市役所、病院、保健所と、思いつく限り走り回りました。そしてたどり着いたのが児童相談所でした。

 息子の機嫌をとって検査にこぎつけた結果、診断されたのが「学習障害」です。こだわりが強く、ひとつのことに異常なまでに興味を示す、という診断でしたが、腑に落ちるところもあれば、まったく違うと思う点もあります。

 引きこもっていた時期の息子のこだわりはゲーム。昼夜、逆転の生活で、部屋は荒れ放題になりましたが、18才の誕生日の直前になると突然、「運転免許を取る」と、自動車学校に通い出しました。朝から晩まで、車、車、車。あっという間に運転免許を取った息子は、とても生き生きしていました。

 思えば、子供の頃からそうでした。私に期待を持たせることが、ときどき起こるのです。この時も、運転免許を取ったことがきっかけになって、仕事に就いてくれるのではないかと、そう思った矢先です。

「車、これに乗るから」と、私の前に差し出したパンフレットは、日産ウイングロードのライダーで250万円。

「仕事もしないで、新車に乗るの!?」

 期待した分、息子の行動に腹を立て、ついつい言葉が激しくなってしまいます。

「新車にでも乗らねえと、誰も相手にしてくれねぇんだよ」

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン