人気を集める消える系SNSだが、利用者の42.7%がほぼ毎回スクリーンショットをとり、投稿の内容によってはスクリーンショットを撮る人が35.0%もいる。また、消える系SNSを利用しながら、ほぼ毎回他のSNSへも投稿している人が38.9%、投稿の内容によっては他のSNSに投稿することもある人が32.5%にのぼっている(株式会社ジャストシステム調べ)。なぜ、消える系を選ぶ7割以上の人が、わざわざ保存したり拡散するのか。
「若い世代は大人や、あまり親しくない人に見られたくない気持ちがあって消える系SNSを好んでいるのですが、何より自分が主導権をもって保存すること、選んで公開することが重要なんです。そして、選び抜いたものをTwitterなどで公開する。ところが、自動的に記録されると残したくないものも残るし、大人に見られるかもしれない。スクリーンショットをとると送り主に通知がいく機能もありますが、若い世代にとってスクショは特別なことではないので、誰も気にしません」(前出・高橋さん)
若い世代は、楽しい思い出を記録したがる傾向が強い。高橋さんによれば、すべて記録されるが次々と流れてゆくLINEのタイムラインのなかから、お気に入りの楽しいやりとりが交わされるとスクショして保存する行動を彼らはよくとっている。そして、そのスクショを読み返しながら満ち足りた気持ちにひたる時間を過ごす人が少なくないそうだ。
スマホネイティブ世代がSNSに求めるのは、気の合う友だちとたわいない会話で盛りあがり、気に入ったプリクラだけをコレクションするプリクラ帳をつくるように、彼らの普段の生活と同じように楽しみ、選ぶことができる空間になっていることだ。消える系SNSの人気は、消える機能だけに注目してのことではなく、彼らにとっての日常の延長として存在できるからのようだ。