コラム

広がるロボアドバイザー投資 ラップ口座との違いは

アルゴリズムが最適な資産配分を診断

 AI(人口知能)が個々の投資家に最適なポートフォリオを提案し、実際の運用まで担ってくれるロボアドバイザー投資が急速な広がりを見せている。簡単な質問に答えるだけでアルゴリズムがその人のリスク許容度を分析し、最適なポートフォリオを提案してくれるサービスだ。投資家は資金を口座に入れておくだけで、運用はすべておまかせできる。

 おまかせ投資というと、大手証券などがラップ口座やファンドラップといった金融商品をすでに提供している。これらの商品は運用管理にかかる手数料が投資対象の信託報酬と合わせて2~3%程度と高額で、なおかつ最低投資金額が数百万円程度と、一般の投資家にはハードルが高い。

 資産の少ない投資家や、自分で資産配分を決めたりコストの安い商品を選べる投資家にはメリットは少なかった。

 一方、ロボアドバイザー投資では投資対象をETF(上場投資信託)やインデックス投資信託などコストが安い金融商品に絞っているうえ、アルゴリズムが自動で資産配分を決定し投資まで行なうため、低コストでおまかせサービスを提供できるようになった。運用会社に支払う手数料と信託報酬を合わせても1%程度で済む。

 投資対象の中心は、アメリカなど海外で上場するETFだ。海外ETFは取引量が多いうえ、投資対象の種類も豊富で、緻密な分散投資が可能だ。保有中にかかるコストも安く、信託報酬が0.1%を切るものもある。

 これらの海外ETFに日本の証券会社の外国株口座などから直接投資する場合、円をドルに替える為替手数料が必要なうえ、売買手数料も日本株に比べるとかなり割高となる。ロボアドバイザー投資ならこれらのコストは運用手数料に含まれるので、少額の投資でも初期コストがかからないのもメリットだ。

 日本の投信を投資対象とするサービスもある。投信はETFに比べると信託報酬は高めの傾向があるが、ロボアドバイザーでは投資対象を低コストのインデックス投信に限定しており、ETFに遜色ないラインナップをそろえている。

●文/森田悦子(ライター、ファイナンシャルプランナー)

マネーポスト2017年新春号

トピックス

靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン