ジャーナリスト・櫻井よしこ氏


百田:最近では、最も影響力の大きい地上波テレビが、おぞましいくらいに左翼的な考え方に偏っていることも問題だと思っています。安保法制の議論でも、賛成と反対の両論を半分ずつ取り上げるべきです。ところが調べてみると、反対意見を流している時間のほうが圧倒的に長い。

櫻井:とても公正とは言えませんね。

百田:私も、地上波テレビからはすっかりお呼びがかからなくなりました。私がテレビで「憲法は改正すべき」などと言うと面倒だと思っているのでしょう。

 地上波テレビは左翼だらけという印象です。しかも怖いのは、日本は「テレビの言うことを信じる」という人の割合が先進国の中で最も多いこと。さらに、朝から晩までテレビばっかり見ていて、他のメディアは全然見ないという人が一定数いることです。

櫻井:現在の憲法を大事に持ち続けると、逆に日本という国が滅んでしまうという「正しい情報」を広く国民に伝えていくことは難しいですね。

百田:トランプが本当に「在日米軍を引き揚げる」という段になったら、それがメディアや国民にとって踏み絵になるんじゃないでしょうか。共産党は「どうぞ出て行ってください」というでしょう。民進党は、「在日米軍にいてもらいたい」ということは軍の必要性を認めることになって自分らの主張と矛盾しちゃうから、右往左往するのでしょうね(笑)。

 トランプは日本にとってまさに「黒船」です。約160年前の黒船は日本に開国を迫ったけれど、トランプの黒船は逆に「俺たちは引き揚げるぞ」「後は自分で守れや」と。

櫻井:その通りです。日本は憲法9条を戦後約70年も守ってきましたが、黒船・トランプ政権の誕生が日本を大きく変えるかもしれません。

【PROFILE】さくらい・よしこ/新潟県長岡市出身。ハワイ州立大学卒業。元日本テレビ「きょうの出来事」キャスター。1995年、『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』で大宅賞受賞。執筆・講演活動を続ける一方、インターネット放送「言論テレビ」を運営中。

【PROFILE】ひゃくた・なおき/1956年、大阪市生まれ。同志社大学中退。放送作家として「探偵!ナイトスクープ」などの番組構成を手がける。2006年、『永遠の0』で作家デビュー。近著に『カエルの楽園』『幻庵』などがある。

※SAPIO2017年2月号

関連記事

トピックス

ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン
今の巨人に必要なのは?(阿部慎之助・監督)
巨人・阿部慎之助監督「契約最終年」の険しい道 坂本や丸の復活よりも「脅かす若手の覚醒がないとAクラスの上位争いは厳しい」とOBが指摘
週刊ポスト
大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、不動産業者のSNSに短パン&サンダル姿で登場、ハワイの高級リゾードをめぐる訴訟は泥沼化でも余裕の笑み「それでもハワイがいい」 
女性セブン
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
《再スタート準備》中居正広氏が進める「違約金返済」、今も売却せず所有し続ける「亡き父にプレゼントしたマンション」…長兄は直撃に言葉少な
NEWSポストセブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《ベリーショートのフェミニスト役で復活》永野芽郁が演じる「性に開放的な女性ヒロイン役」で清純派脱却か…本人がこだわった“女優としての復帰”と“ケジメ”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の一足早い「お正月」》司組長が盃を飲み干した「組長8人との盃儀式」の全貌 50名以上の警察が日の出前から熱視線
NEWSポストセブン
垂秀夫・前駐中国大使へ「中国の盗聴工作」が発覚(時事通信フォト)
《スクープ》前駐中国大使に仕掛けた中国の盗聴工作 舞台となった北京の日本料理店経営者が証言 機密指定の情報のはずが当の大使が暴露、大騒動の一部始終
週刊ポスト
タレントとして、さまざまなジャンルで活躍をするギャル曽根
芸人もアイドルも“食う”ギャル曽根の凄み なぜ大食い女王から「最強の女性タレント」に進化できたのか
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
安達祐実、NHK敏腕プロデューサーと「ファミリー向けマンション」半同棲で描く“将来設計” 局内で広がりつつある新恋人の「呼び名」
NEWSポストセブン
還暦を迎えられた秋篠宮さま(時事通信フォト)
《車の中でモクモクと…》秋篠宮さまの“ルール違反”疑う声に宮内庁が回答 紀子さまが心配した「夫のタバコ事情」
NEWSポストセブン
熱愛が報じられた長谷川京子
《磨きがかかる胸元》長谷川京子(47)、熱愛報道の“イケメン紳士”は「7歳下の慶應ボーイ」でアパレル会社を経営 タクシー内キスのカレとは破局か
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」新年特大号発売! 紅白激震!未成年アイドルの深夜密会ほか
「週刊ポスト」新年特大号発売! 紅白激震!未成年アイドルの深夜密会ほか
NEWSポストセブン