ジャーナリスト・櫻井よしこ氏
櫻井:百田さんはここまで楽観的になれない?
百田:あってはならないことですが、中国や北朝鮮に蹂躙され、相当な犠牲が出なければ目覚めないかもしれない、とさえ思います。
福島県で仏像や神社の石像が次々に壊された事件で、韓国人が逮捕されました。日本は、貴重な仏像なども含めて特に柵を設けず、訪れる人を「壊すはずがない」と信頼しています。ところが今回の事件が起きた。
壊され、首がもげて転がっている仏像や石像が、近未来の日本人の姿に重なって仕方がありませんでした。
櫻井:日本が『カエルの楽園』になってしまうのか、それとも幻想から目を覚まして立ち上がるのか。今年は日本人にとってターニングポイントになりますね。
【PROFILE】さくらい・よしこ/新潟県長岡市出身。ハワイ州立大学卒業。元日本テレビ「きょうの出来事」キャスター。95年、『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』で大宅賞受賞。執筆・講演活動を続ける一方、インターネット放送「言論テレビ」を運営中。
【PROFILE】ひゃくた・なおき/1956年、大阪市生まれ。同志社大学中退。放送作家として「探偵!ナイトスクープ」などの番組構成を手がける。2006年、『永遠の0』で作家デビュー。近著に『カエルの楽園』『幻庵』などがある。
※SAPIO2017年2月号