今回の臨床研究に際し、LCATタンパクが体内にまったくない人は、治療対象とはならない。というのも、体内に、そのLCATタンパクがないために、移植した細胞を異物(抗原)として認識し、攻撃する可能性があるからだ。

「LCAT欠損症は、善玉コレステロール値がものすごく低いという特徴があります。健診で腎臓の数値が悪く、かつ善玉コレステロール値が持続的に低い場合は、この病気の可能性があります。健常者のLCATタンパクの活性を100%とすると、欠損症では10%を切っています。臨床研究では、この閾値(いきち)0%を超すことが目標です」(黒田特任准教授)

 臨床研究は、千葉大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科(横手幸太郎教授)と大学発バイオベンチャーのセルジェンテックが共同で行なっている。将来的には、血友病などの難病治療開発に繋がると期待されている。なお、セルジェンテックは研究成果に基づき、難病治療用の加工ヒト脂肪細胞を遺伝子細胞医薬品として承認・実用化されることを目指している。

●取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2017年1月13・20日号

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