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中国が尖閣を奪いに来ても米軍は日本を助けないと落合信彦氏

世界は弱肉強食のジャングルに AP/AFLO

 ドナルド・トランプ大統領誕生によって、2017年の世界は、日本はどうなるのか。作家の落合信彦氏が、より厳しい局面にたたされる日本の未来について解説する。

 * * *
 トランプ大統領誕生によって、日本を取り巻く環境も厳しくなる。

 中国は今年中に尖閣諸島を奪いに来てもおかしくない。断言するが、その時、米軍は絶対に日本を助けてくれはしない。

 アメリカの知識人は私に、「尖閣諸島には日本人は1人も住んでいないじゃないか。なぜそこにアメリカの兵隊が血を流す覚悟で行かなければならないのか」と語った。それがアメリカの本音であり、トランプが「日本のため」に若き米兵の命を危険に晒すことなどありえない。

 一方でトランプは、中国をあからさまに敵視している。大統領就任前に台湾の蔡英文総統と電話会談して中国を怒らせた上に、中国を「為替操作国」に指定する構えを見せている。これで中国もアメリカを敵対視してますます孤立し、尖閣や南シナ海など周辺への進出を強化するだろう。

 荒れゆく世界を見ていて、未来のことを考えると暗澹たる気分になる。5年後にはあらゆる世界秩序が破綻しているのではないか。「国連」などの秩序維持装置は壊れ、まさに弱肉強食の時代が訪れる。

 日本人は、そうしたジャングル化した世界の中で、厳しい局面に立たされていることを自覚すべきなのだ。

※SAPIO2017年2月号

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