「EKIDEN NEWS」主宰者の“博士”こと西本武司氏
西本:超エリートも素人も練習する場所が同じなのは大きいと思います。去年の夏、砧公園をジョギングしていたら上半身裸の男に颯爽と抜かれた。よく見たら大迫(傑。5000m日本記録保持者)なんです。日本記録保持者と同じ場所で練習できるんだから驚きますよね。
増田:確かにそうね。
西本:イチローの打法や投法のモノマネをするように、市民ランナーの間で大迫のモノマネが流行るぐらいまで業界を盛り上げていくのが僕の将来の夢です。
一里塚として始めたのが「オトナのタイムトライアル」という市民ランナー向けの記録挑戦会。昨年は川崎・等々力陸上競技場を借りて1万m日本歴代2位の鎧坂哲哉・選手(旭化成)や青学大で2度の8区区間賞を獲った高橋宗司君にペースメーカーをやってもらったりした。競技選手と市民ランナーの垣根はもっと低くできると思うんです。
増田:たしかに、実現すればマラソンも駅伝ももっと盛り上がる。本当は陸連とかがそういう取り組みを応援しないとダメなのにね。陸連には、「西本さんにもっと協力しなさい!」って私から言っておくわ!
西本:よろしくお願いします(笑い)
●ますだ・あけみ/1964年千葉県生まれ。スポーツジャーナリスト。私立成田高校在学中、長距離種目で次々に日本記録を樹立し、1984年ロサンゼルス五輪に女子マラソン代表で出場。1992年に現役引退し、解説者として数々のレースに携わる。
●にしもと・たけし/1971年福岡県生まれ。「駅伝ニュース」主宰者。本業はコンテンツプロデューサー。ツイッターアカウント名は「公園橋博士」、相棒のマニアさん(アカウント名「@EKIDEN_MANIA」)とともに全国の長距離レースを観戦。
※週刊ポスト2017年2月3日号