国際情報

天安門事件リーダー王丹氏 台湾から米に移住で反応二分

天安門事件で弾圧された学生運動の元リーダーのその後

 1989年の中国の天安門事件で弾圧された学生運動の元リーダーで台湾在住の王丹氏(47)が今年6月には活動の拠点を米ワシントンに移し、中国の民主化を支援するシンクタンクを設立する意向であることが分かった。王氏が香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」に明らかにした。

 王氏は天安門事件後、北京を脱出したが、指名手配されて逮捕、約6年間投獄された。しかし、中国政府は王氏の国外での病気治療を認めたことから、王氏は1998年に米国へ亡命。ハーバード大学で博士課程を修了。その後、台湾へ拠点を移し、中正大学などで教鞭を執っていた。

 今年6月には大学での契約が切れることから、これを機に、米国に活動拠点を移しシンクタンクを設立するほか、高齢となった父母を呼び寄せて世話をする目的もあるという。

 王氏は「この2年間は大学で毎週6コマの講義をしなければならず、その準備に時間をとられ、睡眠時間は毎日6時間ほどしなく、持病の頭痛もあって、非常に苦しかった。また、台湾での7年間は毎日毎日強いストレスを抱えて、健康に悪い影響を与えてきたので、もう台湾の生活はこれで終わりにしようと思った」と、現在の心境を明かした。

 ワシントンでのシンクタンク設立はこれまで数人の友人と話し合ってきたことだとしたうえで、「私の生涯の目的は中国共産党政権を倒し、中国を崩壊に導かないことだ。中国はいつかは変化する。それは突然起こるだろう。そのために、常に準備をしておかなければならない」と指摘した。

 このほか、台湾を離れた後、「当面は日本やギリシャ、アルゼンチンの旅行を計画している」と語った。

 これに対して、ネット上では1000ものコメントが書き込まれた。そのなかでは「あなたが台湾を離れる姿を見たくない」「もっと台湾のために働いてほしい」などと別れを惜しむ声が大半だ。

 しかし、王氏が「台湾は中国の一部。早く中国と統一した方が賢明だ」と語っていたことなどから、台湾生まれの本省人を中心に「北京生まれ、中国育ちのお坊ちゃんに台湾人の心は分からない。勝手にどこへでも行ってしまえ」などとの書き込みも一部見られ、王氏が台湾を離れることについて反応が分かれている。

関連キーワード

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志容疑者、14年前”無名”の取材者として会見に姿を見せていた「変わった人が来るらしい」と噂に マイクを持って語ったこと
NEWSポストセブン