作家の井沢元彦氏


井沢:どうして二刀流は成功すると思ったんですか?

栗山:彼が高校2年の時に初めてピッチングを見たんですけど、ネット裏からボールの球筋や角度を見たときに、絶対この子は世界一のピッチャーになると感じました。その後、甲子園で「バッター大谷」を見たときは、レフトライナーがあわやホームランというフェンス直撃の一打を目の当たりにして、プロでも二刀流でやれると確信しました。それと、あんなすごい選手を僕ごときがどっちかに決めちゃいけないなと思ったんです。

井沢:謙虚ですね。

栗山:幸いなことに、翔平はとても“出たがり”なんです。シーズン終盤に、次の日に彼が先発で勝たなきゃいけないという状況でも、コーチを通じて「バッターとして出たい」って文句を言ってくる。僕は「体力のことも考えて、もっと出たいんだったらどうすればいいか考えなさい」と諭すと、翔平は自分で考えて新しい答えを出してくる。

井沢:そういう意味でも大した選手ですね。ちなみに私生活にはどれだけ口を出すんですか? 悪い女に引っかかって良い選手がダメになるっていう例もあるじゃないですか。

栗山:今の選手は稼げるので余計、人が集まるから心配はしています。翔平には「2人分やるんだから、遊ぶなとは言わないけどやるべきことだけはちゃんとやりなさい」と言っています。

 去年、翔平はゲスト審査員として紅白歌合戦に出ましたけど、球団を通じて出演を打診されたときに彼が言ったのが、「練習場を確保してくれるなら出ます」と。大晦日と元日は寮が閉まっちゃうから、トレーニングする場を確保してほしいと。

井沢:すごいですね。二刀流で知られる宮本武蔵は剣術家として一流でしたが、画家としても一流で国宝級の絵をいっぱい描いている。だから「武蔵は2人いた説」というのがあるくらいなんですが、大谷翔平は武蔵に匹敵する万能のスーパーマンですね。

※週刊ポスト2017年2月10日号

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン