国内

筒井康隆氏「日本でも早く安楽死法案通してもらいたい」

作家・筒井康隆氏 共同通信社

「安楽死で逝きたい」。橋田壽賀子氏が文藝春秋(2016年12月号)で公言して以降、「尊厳ある死」を巡る議論が喧しい。今年83歳を迎える作家・筒井康隆氏はどう考えるか。

 * * *
 認知症になって家族に迷惑をかけ長く生きるよりは早く死んだ方がいいと望む人は多い筈だ。そして同じ死ぬなら苦痛のない方法でとも望むだろう。そんなことを考える人は当然まだ認知症になっていない。頭のはっきりしている老人が安楽死を求めてもその家族の多くは反対するだろうし、そもそも安楽死は法的に認められていない。つまり病院では安楽死をさせてくれない。

 これを自分でやろうとすると安楽死ではなく自殺ということになってしまう。法的には有罪だ。これだと原則、家族に生命保険がおりないのである。まあ、死んでしまえばあとのことはどうでもいいようなものだが、やはり家族が困るようでは可哀想だ。

 では、事故死または他殺と見せかけて自殺するというのはどうであろう。誰でも考えることであり、これをメイントリックにしたミステリーはいっぱいある。それに生命保険会社は自殺なのに保険金を取られては損をするから、懸命になって自殺であることを証明しようとする。だから当然のことながらこのてのトリックは先刻ご承知、あらゆるミステリーのトリックを調べ盡している。残念ながら素人考えで成立つようなトリックはすぐに見破られてしまうのである。

 最近、老人の運転する車の事故が多発しているが、わざと車で大事故を起して自分も死ぬというのは甚だ迷惑な死にかただ。家族も責められることになり、下手をすれば何人も巻添えにして自分だけ助かったりする。これはもう目も当てられない結果となるからやめた方がよかろう。

関連記事

トピックス

「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
悠仁さまの「加冠の儀」に出席された雅子さま(時事通信フォト)
《輝きを放つシルク》雅子さま、私的な夕食会で披露した“全身ゴールド” ファッション専門家「秋を表現された素晴らしい一着」
NEWSポストセブン
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
クイズ企画が人気を集めている『新しいカギ』の特番が放送される(公式HPより)
《1コーナーから2時間特番に》『新しいカギ』「高校生クイズ何問目?」が高校生から高い支持 「純粋にクイズを楽しめる」「負けても納得感」で『高校生クイズ』との違いも 
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
「パー子さんがいきなりドアをドンドンと…」“命からがら逃げてきた”林家ペー&パー子夫妻の隣人が明かす“緊迫の火災現場”「パー子さんはペーさんと救急車で運ばれた」
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン