「70才の節目に勇退するのが宮内庁長官の慣例。ですが、誕生日から10日ほどでの退任は異例で、異動時期である年度末までは長官の職を全うするとばかり思っていました」(宮内庁関係者)
宮内庁は「内閣府に置かれる機関」である。そのため、政権の意向とは切っても切れない関係にある。
「風岡氏は、両陛下のお気持ちを第一に優先してきました。ですが、それが政権側からは“両陛下や皇族方に寄り添いすぎる”と映っていた。退任が早まったのは、風岡氏の存在を疎んじた政権側からの何らかの働きかけがあったからでしょう。さらに、ナンバー2である宮内庁次長に西村泰彦氏が就任。西村氏の前歴は内閣危機管理監、つまり、直前まで安倍首相の手元にいた人物です。宮内庁内部に目を光らせると同時に、安倍首相が描く方向にコントロールしやすくなります」(前出・宮内庁関係者)
陛下の周りには、いつしか“包囲網”が張り巡らされていった。そして迎えた2017年。正月から皇室関連報道が連日世間を賑わせては、宮内庁側が否定するということが相次いでいる。
「出元は大抵が政権側。情報を小出しにする理由は、世論がどの程度まで生前退位後の皇室の在り方を許容するか見定める観測気球のような意味合いがある。一方で“秋篠宮さまを皇太子待遇にする”といった、以前から議論されてきた課題の解決法を示すことには、“いろいろと改善するから、とりあえず今回は1代限りでいいじゃないか”と宮内庁側の懐柔という狙いもある」(前出・政治記者)
陛下の望まれる未来か、安倍首相の描く青写真か――決着の時は近づいている。
撮影■雑誌協会代表取材
※女性セブン2017年2月16日号