ビジネス

WELQ騒動は「世界企業Googleがクソ情報に負けた日」

ネットニュース編集者の中川淳一郎氏

 先ごろ発生した医療情報サイト「WELQ」によるパクリ記事、インチキ記事騒動は、近年急増した「キュレーションサイト」と呼ばれる情報サイトには胡散臭いものもあることを世に知らしめた。しかしこの事件は、より深い問題をはらんでいるとネットニュース編集者の中川淳一郎氏は指摘する。中川氏がグーグルへの期待をこめて解説する。

 * * *
「検索はオワコン」──5年ほど前にIT業界でよく説かれていた論である。「オワコン」とは「終わったコンテンツ」の意味で、要するに「時代遅れ」だ。じゃあ、一体何の時代が来たのかといえば「ソーシャルの時代」である。

 ネットで情報を取る場合、グーグルなどの検索エンジンを使うのではなく、ツイッターやフェイスブック、インスタグラムなどの「ソーシャルメディア」でフォローしている人が提供する情報やリンクを辿って情報を得る時代が来たということだ。

 2013年頃から次々と立ち上がった「キュレーションサイト」と呼ばれる各種情報サイトでは、「死ぬまでに行きたい絶景スポット25選」や「泣ける! 兵士が突然戦地からサプライズで帰還、その時息子は……」のようなネタを次々と制作。これらは「感動した……」などとツイッターやフェイスブックでシェアしてもらう意図で作られた記事である。

 とにかく「ソーシャルでシェアされるものを作ろう」の掛け声のもと、ウェブサイトの制作側は、検索をあまり重視していなかった。しかし昨年12月、この定説が完全にぶっ壊れる事態が発生。検索こそ、アクセス稼ぎの最重要事項であることが明らかになったのだ! 

関連キーワード

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン