ビジネス

主婦の「自分年金」iDeCo 家計節約にもなり一挙両得

iDeCo活用で主婦の「退職金」に(パンフレットより)

 今後30年で、サラリーマンの「厚生年金」は約2割、主婦や自営業者の「国民年金」は約3割も減っていく。しかも、受給が始まる年齢は現在の65才から、さらに68才、70才へと先延ばしされていく…先の見えない年金不安に私たちの老後が大ピンチだ。

 日本の公的年金制度は、少子高齢化と政治家・官僚のムダ遣いによって破綻の危機に直面している。

 政府は年金額をどんどんカット。米調査会社の「世界の年金の信頼性ランキング(2016年)」では、日本は26位に沈んだ。中国(23位)、メキシコ(24位)、インド(25位)にも劣っている。

 もう公的年金制度は頼りにならない――そんな状況で“年金特効薬”として注目されるのが「iDeCo(イデコ)」という制度である。

 が、ほとんどの主婦がこの制度を知らないという。今年1月、ある証券会社が専業主婦に行ったアンケートによると、「iDeCoをよく知っている」と答えたのは2%。聞いたこともないと回答した主婦は84%だった。

 iDeCoの正式名称は「個人型確定拠出年金」。簡単にいえば「自分年金」だ。公的年金は信用ならないので、老後資金は自分で積み立てるという制度である。

「個人型確定拠出年金」制度は以前からあるが、主婦の加入は認められていなかった。iDeCoと命名されたのが昨年9月、そして実はこの1月に制度が変わり、主婦など多くの人が加入できるようになったのだ。60才になったら受け取れる「主婦の退職金」をあなたも作ってみませんか?

 iDeCoは加入者の仕事によって掛金の上限があり、専業主婦の場合は月々2万3000円までと決まっている。「年金博士」として知られる社会保険労務士の北村庄吾さんの解説。

「iDeCoの第一歩は“家計からどうやって掛け金を捻出するか”です。そのとき、将来の子供の学費や自宅のリフォーム代など、目的のある貯金分を減らして、掛け金に回すのはオススメできません。

 iDeCoは60才になるまで引き出せないので、学費や自宅改修費が足りなくなったら、元も子もありませんよね。

 掛け金は生活費や固定費の節約から捻出してはいかがでしょうか。不要な買い物を減らしたり、携帯電話代を見直したり、日頃の支出を抑えて、掛け金に回す。“主婦の退職金づくりのために月々2万円”と目標を作れば、節約も進み、iDeCo制度でも得をして、一挙両得です」

 積み立てられる額にも期間にも上限がある。できるだけ早く始めることが重要だ。

※女性セブン2017年2月23日号

関連記事

トピックス

ドバイの路上で重傷を負った状態で発見されたウクライナ国籍のインフルエンサーであるマリア・コバルチュク(20)さん
《“ドバイ案件”疑惑のウクライナ美女》参加モデルがメディアに証言した“衝撃のパーティー内容”「頭皮を剥がされた」「パスポートを奪われ逃げ場がなく」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
【伊東市・田久保市長が学歴詐称疑惑に “抗戦のかまえ” 】〈お遊びで卒業証書を作ってやった〉新たな告発を受け「除籍に関する事項を正式に調べる」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者が逮捕された
《不動産投資会社レーサム元会長・注目の裁判始まる》違法薬物使用は「大きなストレスで…」と反省も女性に対する不同意性交致傷容疑は「やっていない」
NEWSポストセブン
女優・福田沙紀さんにデビューから現在のワークスタイルについてインタビュー
《いじめっ子役演じてブログに“私”を責める書き込み》女優・福田沙紀が明かしたトラウマ、誹謗中傷に強がった過去も「16歳の私は受け止められなかった」
NEWSポストセブン
中国の人気芸能人、張芸洋被告の死刑が執行された(weibo/baidu)
《中国の人気芸能人(34)の死刑が執行されていた》16歳の恋人を殺害…7か月後に死刑が判明するも出演映画が公開されていた 「ダブルスタンダードでは?」の声も
NEWSポストセブン
13日目に会場を訪れた大村さん
名古屋場所の溜席に93歳、大村崑さんが再び 大の里の苦戦に「気の毒なのは懸賞金の数」と目の前の光景を語る 土俵下まで突き飛ばされた新横綱がすぐ側に迫る一幕も
NEWSポストセブン
学歴を偽った疑いがあると指摘されていた静岡県伊東市の田久保真紀市長(右・時事通信フォト)
「言いふらしている方は1人、見当がついています」田久保真紀氏が語った証書問題「チラ見せとは思わない」 再選挙にも意欲《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、夫の音楽家・塩入俊哉氏(時事通信フォト、YouTubeより)
「結婚前から領収書に同じマンション名が…」「今でいう匂わせ」参政党・さや氏と年上音楽家夫の“蜜月”と “熱烈プロデュース”《地元ライブハウス関係者が証言》
NEWSポストセブン
学歴を偽った疑いがあると指摘されていた静岡県伊東市の田久保真紀市長(共同通信/HPより)
《伊東市・田久保市長が独占告白1時間》「金庫で厳重保管。記録も写メもない」「ただのゴシップネタ」本人が語る“卒業証書”提出拒否の理由
NEWSポストセブン
7月6~13日にモンゴルを訪問された天皇皇后両陛下(時事通信フォト)
《国会議員がそこに立っちゃダメだろ》天皇皇后両陛下「モンゴルご訪問」渦中に河野太郎氏があり得ない行動を連発 雅子さまに向けてフラッシュライトも
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、経世論研究所の三橋貴明所長(時事通信フォト)
参政党・さや氏が“メガネ”でアピールする経済評論家への“信頼”「さやさんは見目麗しいけど、頭の中が『三橋貴明』だからね!」《三橋氏は抗議デモ女性に体当たりも》
NEWSポストセブン
かりゆしウェアをお召しになる愛子さま(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《那須ご静養で再び》愛子さま、ブルーのかりゆしワンピースで見せた透明感 沖縄でお召しになった時との共通点 
NEWSポストセブン