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東芝危機 東証2部降格企業が1部に返り咲くことはあるのか

東芝の東証2部降格は既定路線か

 東芝は2月14日、米子会社のウェスチングハウスの原子力事業が原因で、約7125億円もの巨額損失を計上することを発表。これにより、2017年3月期決算で債務超過に陥ることは確実と見られている。証券アナリストの植木靖男氏はいう。

「東証は上場規定で、決算期末に債務超過となった場合、1部から2部に指定替えを行なうと定めています。このままだと東芝は、今年8月1日付で2部に降格します」

 過去、東証の2部降格を経験した企業は多くない。

「2部降格銘柄としては、記憶に新しいのがシャープで、債務超過で昨年8月1日に降格しました。オリエントコーポレーション(オリコ)も債務超過で2007年に降格した」(前出・植木氏)

 投資家の信頼を保つために東証のルールは厳格に適用される。経営難に陥れば、否応なく退場させられるのだ。だが、あえて1部上場を避ける企業も存在している。フィスコの株式・為替アナリスト、田代昌之氏が解説する。

「1部に上場すると、関心を示す投資家が増え、招かれざる投資家が株主として経営に乗り込んでくる可能性がある。そこで株主数をあえて(1部の上場審査基準である)2200人以下にキープして、2部上場を“堅持”している企業もある。

 とくにオーナー企業では1部を意図的に避ける傾向が強く、私が知っている会社のオーナー会長も、『目の黒いうちは、絶対に1部上場させん』と話す方がいました」

 実際に東証2部には、象印マホービンや帝国ホテル、ヱスビー食品といった、業績も企業規模も東証1部基準を満たす有力企業が多数存在する。

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