スポーツ

瀬古利彦が衝撃提言「箱根駅伝に42.195km区間導入を」

かつての名ランナーが緊急提言(瀬古利彦氏)

 2月26日に開かれた東京マラソンではウィルソン・キプサング(34、ケニア)が2時間3分58秒で優勝。終わってみれば上位7人は全員、アフリカ勢だ。

 世界との差を見せつけられたのは、正月の風物詩となった箱根駅伝で脚光を浴びた若手選手たちだった。

 2012年の箱根から3年連続区間賞の設楽悠太(東洋大卒、Honda)は日本記録(2時間6分16秒)を上回るペースでレースを進めたが、30km以降は失速して11位(2時間9分27秒)。花の2区で連続区間賞(2015、2016年)の服部勇馬(同、トヨタ自動車)は13位(2時間9分46秒)に終わった。日本人トップの井上大仁(山梨学院大卒、MHPS)ですら2時間8分22秒と、トップと4分以上の大差だった。

「日本のマラソンは今までで一番弱い」と危機感を顕わにするのは、昨年11月に日本陸連の「マラソン強化戦略プロジェクト」のリーダーに就任した瀬古利彦氏(DeNAランニングクラブ総監督)だ。現役時代、国内外のマラソンレースで15戦10勝の戦績を残したレジェンドは東京マラソン直前、本誌の取材にこう語った。

「世界が2時間2~3分の記録で走っているのに、日本は8~9分台で争っている。30年前の記録ですよ。箱根の距離(1区間約20km)を走れる選手がたくさんいても、マラソンは全く別の種目です。駅伝のついでにやるんではなく、意識も生活も42.195kmにかける“マラソンの職人”を育てないと手遅れになる」

 そこで具体的に何を変えるのかを問うと「仮にできるなら」と前置きしたうえで、大胆な“改革プラン”を明かした。

「箱根にフルマラソン区間をつくったらいいんです。今の復路の9区(戸塚~鶴見=23.1km)と10区(鶴見~大手町=23.0km)をつなげてアンカー区間にすれば難しくないでしょ。そうしたら各校が必ずこの距離の練習を始める。出場校のエースが挑めば、毎年20人のマラソンランナーが生まれるわけです」

 あえて記すが、瀬古氏の表情は大真面目だ。箱根駅伝の大改革による“マラソン強豪国復活”を考えているのである。

「はっきりしているのは宗(茂・猛)兄弟や私のような職人がいた時代に比べ、今は練習量が減っていること。1日70~80km走る練習を取り入れたりしないと世界には太刀打ちできませんよ。1992年バルセロナ五輪で金メダルを取った韓国の黄永祚に聞いたら、やはり80km走をやっていた。東洋人が世界に勝つには距離を走るしかない」(瀬古氏)

関連記事

トピックス

「ナスD」として人気を博したが…
《俺って、会社でデスクワークするのが苦手なんだよね》テレビ朝日「ナスD」が懲戒処分、517万円を不正受領 パワハラも…「彼にとって若い頃に経験したごく普通のことだったのかも」
NEWSポストセブン
トレードマークの金髪は現在グレーヘアに(Facebookより)
《バラエティ出演が激減の假屋崎省吾さん“グレーヘア化”の現在》中居正広氏『金スマ』終了を惜しむカーリー「金髪ロング」からの変貌
NEWSポストセブン
姉妹のような関係だった2人
小泉今日子、中山美穂さんのお別れ会でどんな言葉を贈るのか アイドルの先輩後輩として姉妹のようだった2人、若い頃は互いの家を行き来し泥酔するまで飲み明かしたことも
女性セブン
彼の一世一代の晴れ舞台が近づいている
尾上菊之助「菊五郎」襲名披露公演配役で波紋、“盟友”尾上松緑を外して尾上松也を抜擢 背景に“菊之助と松緑の関係性”を指摘する声も「最近では口もきかない」
女性セブン
39度目の甲子園で戦った明徳義塾・馬淵史郎監督(写真/産経新聞社)
【敗軍の老将・兵を語る】明徳義塾・馬淵史郎監督がメディアの報道に「頭にきているんですよ」 それでも健在だった的確な「敗因分析」コメント
NEWSポストセブン
「え、本物……?」小柄だが顔が激似の“大谷似翔平”にファンが歓喜
「似すぎ…!」大谷翔平に今永昇太…メジャーリーグ開幕当日、東京ドーム場外に“そっくりさん”が大量出没「めっちゃ本人じゃん」
NEWSポストセブン
大の里の昇進をめぐっては悩ましい問題も(時事通信フォト)
大の里「次の横綱」への最大の懸念は“大関ゼロ”問題 ガチンコ全盛時代に求められる“2場所連続優勝で文句なしの昇進”のハードルの高さ
週刊ポスト
実際の告知は執行当日、1〜2時間前に行われることが基本となっている
《死刑当日告知裁判》「早朝、革靴の足音で “その瞬間”への恐怖が増す」死刑囚と接した牧師が明かす“執行前の実態”「精神的な負担から睡眠薬頼りに、顔は腫れぼったく収監前の面影が消える」
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”の女子プロゴルフ・川崎春花、阿部未悠、小林夢果を襲う「決勝ラウンド3人同組で修羅場中継」の可能性
週刊ポスト
都内の高級住宅街に大きなあ戸建を建設中の浅野温子
浅野温子、都内高級住宅街に二世帯住宅を建設中 資産価値は推定5億円、NHK元アナウンサーの息子一家との同居で始まる“孫育て”の日々
女性セブン
再婚妻との子どもが生まれた東出昌大。杏はイラストで子どもとの日常を投稿
《東出昌大と新妻による出産報告も突然のYouTube休止》3児の母・杏がSNSに投稿していた「家族イラスト」の意味深な背景
NEWSポストセブン
寺本幸代監督が制作秘話を語った
《口コミでも絶賛の話題作》『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』監督が明かした制作秘話 「ドラえもん愛」「王道への挑戦」から生まれたこだわりのシーンとは?
NEWSポストセブン