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盗まれてオランダに渡った中国の仏像、中国が返還提訴

中国の返還提訴に世界が注目

 中国福建省の博物館から1995年に盗まれた仏像が「オランダのアムステルダムの博物館に所蔵されている仏像と同じだ」として、同省在住の博物館関係者が仏像の返還を求め、オランダ人所有者をアムステルダムの裁判所に訴えた。その第1回公判が今年7月に開かれることが分かった。「盗品」である文化財の返還を求めて、中国の関係者が海外で裁判を起こすのは極めて珍しい。

 ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)によると、海外に流出している中国の文化財は167万件以上とみられており、今回の裁判の結果次第では、「盗品」の返還を求め、中国の関係機関による裁判ラッシュが起きることも懸念されている。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報じた。

 中国側の主張によると、この仏像は福建省太田県陽春村の博物館に所蔵されていた「章公祖師像」という北宋時代 (960-1127年)に作成されたもの。

「章公」という僧侶は実在した人物で、医術の心得があり、住民が病気の時に治療をしたことで多くの人々の命を救ったとされる。住民から深く慕われており、章公が死んだ際、住民は彼をミイラにして、その身体に合わせて、すっぽりと金属で覆い金色の仏像を作ったとされる。

 それ以来、仏像は村民に受け継がれ、新中国建国後前後には博物館に展示されるようになったが、1995年には博物館から盗まれていた。

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