スポーツ

瀬古利彦「駅伝に42km区間」提案に川内優輝が賛成&新提案

瀬古氏の大胆提案に現役選手からも賛同の声

 日本陸連・マラソン強化プロジェクトリーダーを務める瀬古利彦氏は、『週刊ポスト』前号(2017年3月17日号)でマラソン低迷を脱するために、「箱根駅伝に42.195km区間を導入せよ」と提言した。箱根の9区と10区を一緒にするなどして42.195km区間を創設することで、〈各校がこの距離の練習を始める。出場校のエースが挑めば、毎年20人のマラソンランナーが生まれる〉という“激薬”である。

 箱根人気ばかり先行する現状に危機感を抱くレジェンドの大胆提言だが、その考えに強く賛同したのが、今シーズン2回の2時間9分台を叩き出し、世界陸上の代表入りが確実視されている最強市民ランナー・川内優輝(30、埼玉県庁)だ。

◆1日100km走るべき

 びわ湖毎日のゴールとほぼ同時刻、金栗杯玉名ハーフマラソン(熊本県)に出場し、3位ながらもシーズンベストを出した直後の川内を直撃し、瀬古氏の「42.195km区間」案をどう思うか聞くと、

「マラソンを強化するためには必要なことです」

 と深くうなずいた。今シーズン、福岡国際マラソン(12月、2時間9分11秒)の好走だけでなく、壱岐の島新春マラソン(1月8日、ハーフ)、奥球磨ロードレース(1月15日、ハーフ)、奥むさし駅伝(1月29日、4.3km)、埼玉県駅伝(2月5日、12.1km)、愛媛マラソン(2月12日、フル=2時間9分54秒)、そうじゃ吉備路マラソン(2月26日、ハーフ)などほぼ毎週レースに出る鉄人の言葉だけに重みがある。川内が続ける。

「瀬古さんや宗(茂・猛)兄弟は練習で1日に80~130kmを走っていた。自分も、公務員の仕事があるのでなかなか難しかったが、去年の9月に100kmジョグをやってみました。そこからは意識も変わったし、記録も伸びています。50kmジョグなどは最近、月3回ほど普通に取り入れるようになりました」

 瀬古氏の「とにかく距離を走る練習が必要」という主張にそう賛同した上で、大学卒業後、実業団に所属せず「市民ランナー」として活躍する川内ならではの新提言も飛び出した。

「長距離選手の選手層を厚くするために42.195km区間を作るなら、ニューイヤー駅伝にも作るべきだと思います。そうすれば実業団側もマラソンを強化せざるを得なくなる。

 ニューイヤー駅伝は1区間の距離が短すぎると思うんですよ。2区なんて8kmちょっと、一番長くて4区の22kmです。中学生のときに3kmくらいを走っていて、高校生になって5~10km。そして大学では箱根などで20kmを超えているのに、実業団でまた10kmに減っているわけですよ。普通に考えたら成長に応じて、大学で20kmを走っているんだから実業団で40kmってなるはずなんです」

 注目度の高いニューイヤー駅伝に合わせ、短い距離の練習を選手が強いられている構図があるという指摘だ。時折机を叩き、語気を強めながら川内は続けた。

「ニューイヤー駅伝がもっと距離が長ければ長距離ランナーとして大成した選手がたくさんいると思います。本当に気の毒です。そういう選手を救うためにニューイヤー駅伝にフルマラソン区間を作るべきなんです」

関連キーワード

関連記事

トピックス

不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《スクショがない…》田中圭と永野芽郁、不倫の“決定的証拠”となるはずのLINE画像が公開されない理由
NEWSポストセブン
多忙の中、子育てに向き合っている城島
《幸せ姿》TOKIO城島茂(54)が街中で見せたリーダーでも社長でもない“パパとしての顔”と、自宅で「嫁」「姑」と立ち向かう“困難”
NEWSポストセブン
小室圭さんの“イクメン化”を後押しする職場環境とは…?
《眞子さんのゆったりすぎるコートにマタニティ説浮上》小室圭さんの“イクメン”化待ったなし 勤務先の育休制度は「アメリカでは破格の待遇」
NEWSポストセブン
女性アイドルグループ・道玄坂69
女性アイドルグループ「道玄坂69」がメンバーの性被害を告発 “薬物のようなものを使用”加害者とされる有名ナンパ師が反論
NEWSポストセブン
遺体には電気ショックによる骨折、擦り傷などもみられた(Instagramより現在は削除済み)
《ロシア勾留中に死亡》「脳や眼球が摘出されていた」「電気ショックの火傷も…」行方不明のウクライナ女性記者(27)、返還された遺体に“激しい拷問の痕”
NEWSポストセブン
当時のスイカ頭とテンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《“テンテン”のイメージが強すぎて…》キョンシー映画『幽幻道士』で一世風靡した天才子役の苦悩、女優復帰に立ちはだかった“かつての自分”と決別した理由「テンテン改名に未練はありません」
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《ヤクザの“ドン”の葬儀》六代目山口組・司忍組長や「分裂抗争キーマン」ら大物ヤクザが稲川会・清田総裁の弔問に…「暴対法下の組葬のリアル」
NEWSポストセブン
1970~1990年代にかけてワイドショーで活躍した東海林さんは、御年90歳
《主人じゃなかったら“リポーターの東海林のり子”はいなかった》7年前に看取った夫「定年後に患ったアルコール依存症の闘病生活」子どものお弁当作りや家事を支えてくれて
NEWSポストセブン
テンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《キョンシーブーム『幽幻道士』美少女子役テンテンの現在》7歳で挑んだ「チビクロとのキスシーン」の本音、キョンシーの“棺”が寝床だった過酷撮影
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
女優・趣里の結婚相手は“結婚詐欺疑惑”BE:FIRST三山凌輝、父の水谷豊が娘に求める「恋愛のかたち」
NEWSポストセブン
タレントで医師の西川史子。SNSは1年3ヶ月間更新されていない(写真は2009年)
《脳出血で活動休止中・西川史子の現在》昨年末に「1億円マンション売却」、勤務先クリニックは休職、SNS投稿はストップ…復帰を目指して万全の体制でリハビリ
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン