そうしたガチンコ平幕の挑戦を稀勢の里は退け続けた。所属する田子ノ浦部屋の弟分も存在感を増す。
「弟分・高安も中日で勝ち越しを決めた。同部屋の力士が揃って8連勝で給金となるのは43年ぶりのこと。田子ノ浦部屋はガチンコを貫く“変人部屋”ですが、横綱が生まれて少しは周囲と合わせるかと思ったら、そんな様子は全くない。普通、どの部屋も場所が始まったら稽古は調整がメインですが、田子ノ浦部屋は今場所も毎朝、激しい稽古を休んでいない。もちろん、充実した稽古があるからガチンコ全盛場所を勝ち抜いているのでしょう。部屋の幕下以下の5力士のうち、3人が11日目までに勝ち越しを決めた」(後援会関係者)
稀勢の里自身、“標的”となっている自覚はあるだろう。その自覚が充実した土俵内容につながっている。
※週刊ポスト2017年4月7日号