1.人は同じものを見ていても、望む方向で受け止め方が180度変わる
証人喚問のテレビ中継を見ながらツイッターなどのSNSをのぞいていたところ、同じ質問者に対して「こいつ、グダグダだな」という声もあれば「さすが、鋭く切り込んでるな」という正反対の声もありました。全体の印象も「安倍首相側がいよいよ追いつめられた」と言っている人もいれば、「籠池のおっさんのうさん臭さが浮き彫りになった」と言っている人もいます。
同じものを見ても、人によって受け止め方がまったく違うんだなと、あらためて思い知らされました。人間が抱く印象なんて、しょせんその程度のもの。身近な人に対する評価やトラブルに対するジャッジも、別の角度から見たらまったく逆の結論になるかもしれません。「自分の考えや気持ちなんてアテにならない」という謙虚さを常に忘れないようにしましょう。
2.発言にことわざを織り交ぜると、余裕や自信があるように見える
昨日の証人喚問で、聞いたときは思わず吹き出してひときわ印象に残ったのが、籠池氏の「事実は小説よりも奇なりであります」という発言。民進党の枝野幸男議員が「昭恵夫人がわたしたという100万円は、籠池氏側が講演料として用意していたものだろう」と言っている評論家がいるが、どうなのかと尋ねたところ、こう前置きして「私が申し上げていることが正(ただ)しゅうございます」と答えました。
籠池氏の言うことが真実かどうかは、まだわかりません。それはさておき、証人喚問という緊迫した状況で、発言にことわざを織り交ぜてきたのはビックリでした。そうすることで余裕や自信があるように見える効果は、少なからずあったと言えるでしょう。
このノウハウは、会社生活でも活用できそうです。大事な仕事が予定通りに進んでいなくて、しびれを切らした上司に「あの件、どうなってるんだ!」と詰め気味に尋ねられたら、まずは落ち着いた口調で「事実は小説より奇なりであります」とひと言。続けて「なんと、まだ完成のめどが立っていません」と言えば……余計に怒られますね。