コラム

上場1年以内のIPO株、上方修正等、業績発表直後が狙い時

業績発表後に買って、そこから利益を狙える?

 今後も活況が期待されるIPO(新規上場)市場だが、どのような投資戦略が有効か。もちろん公開価格で手に入れることができればよいが、それはなかなか難しい。そうした意味で、上場後の値動きが大きな間に利益を狙う「セカンダリー投資」に注目したい。投資情報サイト「IPOジャパン」編集長・西堀敬氏がその投資戦略を解説する。

 * * *
 上場後の高値を付けた後、調整して値を下げたタイミングで購入して、その後の値上がりを狙う「セカンダリー投資」は今後も有効だろう。まず、上場後1年以内の銘柄であれば、「調整後に買って業績変化で売る」手法がある。

 IPO銘柄も、一本調子で株価上昇を続ける銘柄は皆無に近い。大半の銘柄はいったん調整期間を経て、新たな買い材料が出ることで再び上昇局面に入るというパターンを描く。その材料としては、まず業績の上方修正である。また、東証1部への市場変更に向けた流動性向上を目的とした株式の新規売り出しなども大きな買い材料となる。

 実例を挙げてみよう。2016年3月31日に上場したオンライン旅行事業を手がけるエボラブルアジア(マザーズ・6191)は、上場の約3か月後に高値をつけて調整期に入り、株価は大きく下落した。だが、業績の上方修正を受けて反転。さらに東証1部への市場変更を目的に主要株主の株式売却が発表されたため、株価はそれまでの高値の倍近くまで上昇した。

 この戦略は、機関投資家の買いを先回りできるという利点もある。機関投資家はIPO銘柄を上場直後に購入することはほとんどない。少なくとも上場後の初決算を経た段階まで待って、業績の変化などから投資判断を下してバイ・アンド・ホールドに踏み切るケースが常である。

 したがって、業績の上方修正が発表された直後のまだ株価が安い段階で仕込んでおけば、その後の機関投資家の買いによる株価上昇を享受できる可能性が高いといえる。もちろん、その銘柄を後から機関投資家が購入することが大前提なので、銘柄選びが極めて重要になる。

 その際に、「IPOジャパン」のホームページ(https://ipojp.com/)では直近IPO銘柄の上方修正などの開示情報を手軽にチェックできるので、ぜひ活用してほしい。

 また、上場後1~2年経った段階で新興市場から東証1部へ市場変更するタイミングを狙う戦略も妙味がある。そうした銘柄を先回りして仕込めれば、大きなリターンも期待できる。

 今年上半期でいえば、障害者向け就労支援が主力のLITALICO(マザーズ・6187)、スマートフォン向けニュース配信アプリを手がけるGunosy(マザーズ・6047)、葬儀、お墓、仏壇のポータルサイトを運営する鎌倉新書(マザーズ・6184)などの東証1部への市場変更が有望視される。

マネーポスト2017年春号

関連記事

トピックス

永野芽郁
《不倫騒動の田中圭はベガスでポーカー三昧も…》永野芽郁が過ごす4億円マンションでの“おとなしい暮らし”と、知人が吐露した最近の様子「自分を見失っていたのかも」
NEWSポストセブン
中居正広
中居正広FC「中居ヅラ」の返金対応に「予想以上に丁寧」と驚いたファンが嘆いた「それでも残念だったこと」《年会費1200円、破格の設定》
NEWSポストセブン
協会との関係は続く?(時事通信フォト)
《協会とケンカ別れするわけにはいかない》退職した白鵬が名古屋場所で快進撃の元弟子・草野に連日ボイスメッセージを送ったワケ
週刊ポスト
「木下MAOクラブ」で体験レッスンで指導した浅田
村上佳菜子との確執報道はどこ吹く風…浅田真央がMAOリンクで見せた「満面の笑み」と「指導者としての手応え」 体験レッスンは子どもからも保護者からも大好評
NEWSポストセブン
石破首相と妻・佳子夫人(EPA=時事)
石破首相夫人の外交ファッションが“女子大生ワンピ”からアップデート 専門家は「華やかさ以前に“上品さ”と“TPOに合わせた格式”が必要」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
中村芝翫の実家で、「別れた」はずのAさんの「誕生日会」が今年も開催された
「夜更けまで嬌声が…」中村芝翫、「別れた」愛人Aさんと“実家で誕生日パーティー”を開催…三田寛子をハラハラさせる「またくっついた疑惑」の実情
NEWSポストセブン
ノックでも観客を沸かせた長嶋茂雄氏(写真/AFLO)
《巨人V9の真実》王貞治氏、広岡達朗氏、堀内恒夫氏ら元同僚が証言する“長嶋茂雄の勇姿”「チームの叱られ役だった」
週刊ポスト
現場となったマンホール
【埼玉マンホール転落事故】「どこに怒りを…」遺族の涙 八潮陥没事故を受けて国が自治体に緊急調査を要請、その点検作業中に発生 防護マスク・安全帯は使用せず
女性セブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《秘話》遠野なぎこさんの自宅に届いていた「たくさんのファンレター」元所属事務所の関係者はその光景に胸を痛め…45年の生涯を貫いた“信念”
週刊ポスト
政府備蓄米で作ったおにぎりを試食する江藤拓農林水産相(時事通信フォト)
《進次郎氏のほうが不評だった》江藤前農水相の地元で自民大敗の“本当の元凶”「小泉進次郎さんに比べたら、江藤さんの『コメ買ったことない』失言なんてかわいいもん」
週刊ポスト
川崎、阿部、浅井、小林
女子ゴルフ「トリプルボギー不倫」に重大新局面 浅井咲希がレギュラーツアーに今季初出場で懸念される“ニアミス” 前年優勝者・川崎春花の出場判断にも注目集まる
NEWSポストセブン
6年ぶりに須崎御用邸を訪問された天皇ご一家(2025年8月、静岡県・下田市。撮影/JMPA)
天皇皇后両陛下と愛子さま、爽やかコーデの23年 6年ぶりの須崎御用邸はブルー&ホワイトの装い ご静養先の駅でのお姿から愛子さまのご成長をたどる 
女性セブン