さらに、年間を通して出荷できるよう収穫時期の違う3品種の栽培を進め、3億円を投じて貯蔵施設を建設。キュアリングと呼ばれる蒸気の処理を施すことで、サツマイモの長期貯蔵を可能にし、端境期にも出荷できるようにした。
結果、「焼き芋といえば、行方」との評判を呼び、各地のスーパーから引き合いが相次ぐようになった。2016年度の販売額は35億円近くに上り、取り組みを始めた2003年の3倍近い。
JAなめがた甘藷部会会長の箕輪秋雄さん(62)は、「3億円も投じたことに驚くかもしれませんが、実際に販売額が大きく上昇しています。農家の皆さんも今まで以上に設備投資に関心を持つようになった」と話す。生産者とJAの連携が奏功したといえそうだ。
※週刊ポスト2017年4月7日号