──ということは、不公平感をなくすために、全面禁煙の店を増やすべきだとお考えなのですか?
山東:基本的には屋内規制を強める代わりに、屋外にもっと喫煙専用場所やスペースを増やしたらいいと思います。それは店外に灰皿を置くだけではなく、きちんと受動喫煙防止の効果が高く、仕切られた喫煙所を要所に設けていくという意味です。
経営が苦しい小さな飲食店街などは、数店がお金を出し合って設置する仕組みを整えてもいいでしょうし、たばこメーカーへの協力を仰いだり、国や自治体などの各種補助金を活用したりする手もあるでしょう。
いまは屋内規制ばかりが話し合われ、屋外の喫煙環境整備にまったく触れられていないために、よけいに曖昧なイメージを持たれているのです。
──確かに、いまは路上喫煙禁止エリアを定める自治体が多いため、法案化によって「外も中も吸えなくなるのでは?」と危機感を抱いている人が多い。
山東:たばこが法で認められた嗜好品である以上、喫煙者がたばこを吸う自由はもちろんありますし、吸える環境を整備することも重要です。
ただ、喫煙者のほうも「オレはたばこに高い税金を払っているんだ」「オレはいつ死んでもいい」などと開き直るのではなく、吸う場所をわきまえて他人に迷惑をかけないよう配慮するのは当然のマナーです。
──オリンピックまでに、禁煙規制をかけながら分煙環境を整備することは可能なのでしょうか。
山東:知恵やお金の出し方次第だと思います。屋外の喫煙所にしても、街の美観を損なわず、それこそ外国人観光客から見ても分かりやすくオシャレな場所として整備していく工夫も必要だと思います。
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3月28日、同議連は所属議員約40名が集まり総会を開催。政府が進める受動喫煙防止対策について、「例外店舗の対象が広がらないよう、要件を明確にすること」「今通常国会の法案提出」「受動喫煙のない環境の実現」などを求めた決議案を採択した。
果たして、政府は喫煙者・非喫煙者ともに納得のいく「たばこルール」を策定することができるのだろうか。
撮影■山崎力夫