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『silent』脚本家の新作がなぜ日曜23時台に?フジテレビが異例の編成をとった背景と支持の理由にある“中毒性” 

脚本家・生方美久氏の新作ドラマ『嘘が嘘で嘘は嘘だ』(公式HPより)

脚本家・生方美久氏の新作ドラマ『嘘が嘘で嘘は嘘だ』(公式HPより)

 ドラマ『silent』(フジテレビ系)でデビューした脚本家・生方美久氏の新作が日曜23時台に編成され、注目を集めている。いまもっとも注目を集める脚本家の作品が元々アニメ枠だった時間に放送されることになったのはなぜか? その背景についてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。 

* * * 

 11日(日)23時15分にドラマ『嘘が嘘で嘘は嘘だ』(フジテレビ系)の第1話が放送されました。 

 同時間帯は昨年末まで『ONE PIECE』が放送されていたアニメ枠。それ以前も2021年から『鬼滅の刃』の「無限列車編」「遊郭編」「刀鍛治の里編」「柱稽古編」が放送され、ブランクの期間は『すぽると!』などが繰り上げされていました。 

 つまり『ONE PIECE』『鬼滅の刃』という人気アニメが放送されていた時間帯に突然30分枠の連ドラが編成されたことになります。ただ、「アニメとドラマの視聴者層は異なる」「ジャンルの定着には時間がかかる」などと言われる中、『嘘が嘘で嘘は嘘だ』の第1話はさっそくTVerの上位にランクインしました。今冬のドラマは40作弱がラインナップされていますが、それらに負けず早くも注目を集めている様子がうかがえます。 

 なぜ唐突にスタートした『嘘が嘘で嘘は嘘だ』は好スタートを切ったのか。さらに、なぜ日曜23時台に編成されたのかなどを掘り下げていきます。 

人気脚本家のオリジナル×先行配信 

 まず好スタートを切った最大の理由は、脚本を担う生方美久さんへの期待感でしょう。 

 生方さんは連ドラデビュー作の『silent』(2022年)を皮切りに『いちばん好きな花』(2023年)、『海のはじまり』(2024年)と話題作を次々に手がけた脚本家で、ドラマ好きに「彼女の作品なら見たい」と思わせられる稀有な存在。昨年は脚本作品の放送がなかったことから次作が待望されていました。 

 そんな人気脚本家の新作をなぜゴールデン・プライム帯のドラマ枠ではなく、見ている人が多いとは思えない日曜23時台のアニメ枠で放送するのか。 

 実は『嘘が嘘で嘘は嘘だ』は放送に先駆けて昨年12月24日からFODで全4話が有料配信されていました。これは「生方さんの作品でFODの有料会員獲得につなげよう」という狙いによるものであり、その上で「1月11日からの放送や無料配信でも収入を得よう」という戦略。フジテレビ系はゴールデン・プライム帯だけで最多5つのドラマ枠を放送していますが、その中の水曜22時台も“人気脚本家のオリジナル×FODでの先行配信”という同様の戦略を採用しています。 

 実際、今冬は古沢良太さんの『ラムネモンキー』が放送されていますが、昨秋は三谷幸喜さんの『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』、その1年前にも黒岩勉さんの『全領域異常解決室』、宮藤官九郎さんの『新宿野戦病院』と“人気脚本家のオリジナル×FODでの先行配信”という戦略が実行されました。 

フジテレビに限らず放送収入の低下に悩まされる民放各局にとって自局系の有料配信サービスで稼ぐことは至上命題。それは『嘘が嘘で嘘は嘘だ』のわずか2日後に、橋本愛さん、瀬戸康史さん、比嘉愛未さんの主演級俳優3人をそろえた『にこたま』のFOD配信がスタートしたことからもわかるでしょう。 

ちなみに『嘘が嘘で嘘は嘘だ』は昨年12月24日に全4話が配信され、『にこたま』は毎週金曜配信の全8話が予定されています。これは『嘘が嘘で嘘は嘘だ』は30分×4話という手軽さもあって、一気見しやすい作品ということではないでしょうか。 

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