「子どものころサッカーを始めたとき、プロになりたいなんて思ってもいなかった。ただサッカーをしているのが楽しくて、それを続けていたらプロになっていたという感じです。日本酒も同じ。
日本酒が好きで、たくさんの銘柄を飲んで、たくさんの蔵人に会い、知識や経験を重ねるうちに、自然とプロを目指していました。僕は酒を造るわけでも売るわけでもないけど、自分なりに日本酒業界に貢献できることがあるんじゃないかと考えたんです。
日本酒は国内だけでなく海外でももっと多くの人に楽しんでもらえるポテンシャルがある。みんなが日本酒を美味しいと感じるためのきっかけを、僕が作れるんじゃないかと思ったんです」
2012年ロンドン五輪、2014年ブラジルW杯、2015年ミラノ万博など、世界的なイベントの際には現地に日本酒バーをオープン。海外での日本酒の知名度アップのためにひと肌脱いだ。
英語、イタリア語、フランス語など7か国語で日本酒を検索できるアプリ『Sakenomy』をプロデュースし、昨年からは、日本全国の銘酒が一堂に揃うイベント『クラフト サケ ウィーク』を開催。日本酒好きはもちろん、これまで日本酒に縁のなかった人たちにも、その魅力を伝える活動を続けている。
3月21日からは初の地方開催となる『クラフト サケ ウィーク 博多』がスタート。前日に福岡入りした中田氏は、プロデューサーとして会場の設営や音響、オペレーションなどを細かくチェックし、スタッフに指示を出す。のれんの色や酒器の見せ方、料理のサービス方法まで、すべてに完璧を求める。