そんな快進撃が続く彼だが、持続している最大の理由はやはり、芸を披露するピコ太郎と、トーク番組など対外的な場に立つ“プロデューサー役”古坂という、2つのキャラにわけたことだろう。通常、芸人はあるキャラクターでブレークすると、素の状態の時にどう喋っていいのかわからなかったり、キャラからの“脱皮”時期に悩んだりするが、そこを最初から明確にわけたことで、ピコ太郎はピコ太郎のままでいられるし、たとえその彼が飽きられても、古坂は生き続けることができるのだ。
2人はもともと千葉の公園で出会ったという設定だが、古坂がまた新たな機軸を打ち出したいときは、別の人物と“出会え“ばいいのである。
◆爆笑問題から五木ひろしまで幅広い人脈
古坂といえばかつて、お笑いトリオ・底抜けAIR-LINEの一人として、往年の人気番組『ボキャブラ天国』(フジテレビ系)にも出演。そこに一緒に出演していた爆笑問題やネプチューン、海砂利水魚(現在のくりいむしちゅー)とは今でも親交があるため、そんな盟友たちの番組に呼ばれやすいというメリットもある。先日の日本武道館ライブに爆問やくりぃむが駆けつけたのは、そうした絆で結ばれているからだろう。
このライブには他にも、東京スカパラダイスオーケストラや、ももいろクローバーZ内の公式ユニット「マス寿司三人前」(有安杏果、玉井詩織、高城れに)、さらには五木ひろしなど13組46人がステージに華を添えたが、これも古坂の持つ顔の広さゆえ。
というのも彼は、浜崎あゆみやEvery Little Thing、AAA(トリプル・エー)といったアーティストが在籍する「avex」に所属しており、それが音楽関係の人脈を作る上で断然有利に働いているのだろう。もちろん売り出し方も、従来のお笑い芸人とは一線を画し、昨年の『紅白歌合戦』(NHK)をはじめ、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)、『FNS歌謡祭うたの春祭り』(フジテレビ系)といった音楽番組にも常時呼ばれている。
◆『PPAP』作曲に見る音楽センス