もちろん、所属事務所の力にあぐらをかいているわけではない。『PPAP』を製作する際には自身で、小島よしおの「そんなの関係ねぇ」や、どぶろっくの「もしかしてだけど」、アニメ『妖怪ウォッチ』(テレビ東京系)の初代エンディングテーマ『ようかい体操第一』といったコミカルな歌のテンポを調べ、『PPAP』のテンポに取り入れたという。

 また最初からスマートフォンで動画を見てもらうため、音割れが若干するスマホの小さいスピーカーでも聴こえやすいよう、曲の音に最初からディストーション(ひずみ)をかけたり、スマホで見やすいよう、PVのバックは白一色に統一し、また自分の顔のアップを多めに映すなど、細かな工夫を重ねたことを、のちにテレビで語っていた。
 
 そうした音楽への深い造詣と周到な戦略が今の活躍につながっていると言えよう。だからこそジャスティン・ビーバーに紹介してもらえたのだろうし、仮にその幸運に恵まれなかったとしても、ブレークは時間の問題ではなかっただろうか。

 そんな人気のきっかけとなったYouTubeでの露出は今も続けている。3月17日には公式動画チャンネルに新曲を5曲も配信し、ネットメディアでの存在感をアピールしている。
 
 芸人でも、アーティストでもない唯一無二の存在・ピコ太郎。そのビジネスモデルは、今後のお笑い界、ミュージックシーンに大いに影響を与えるのは間違いなさそうだ。(芸能ライター・飯山みつる)

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