もっとも、新しい人と会い続ければ気疲れもする。それを回避するために、野末氏は「めし友」と会うのは平日限定、その付き合い方も、現役時代のように深くは立ち入らないという。
「孤独に強い人なんていないから、ひとり飯が寂しいのは当然。だけど、毎日誰かと一緒でも疲れてしまうものです。だから、土日は『男の生理日』と捉えて、一人で映画を観たりして“休暇”にあてる。
毎日違う人と会うのも疲れるけど、同じように、密接な人間関係も気疲れする。70歳を過ぎたら、現役時代のように利害の絡んだ関係はうまくいかない。
だから、テニス仲間はテニスのときだけ、ゴルフ仲間ならゴルフのときだけの付き合いで、それ以上はお互いに踏み込まない。老後の人間関係は、『刹那主義』でいいし、『適度な距離感を保ったまま』でいいんです」
※週刊ポスト2017年4月21日号