井上:第2話では、警視庁の中で刑事が拳銃を抜くというシーンを台本で書いたのですが、「それはあり得ない」と却下されてしまいました(笑い)。
倉科:それは絶対にないですからね。警察官が拳銃を所持する時は拳銃を「拳銃金庫」から出すのですが、幹部立ち会いのもとで厳重にやります。
井上:それで最終的には、外でその筋の人間から買った拳銃を署内に持ち込んだことにしたんです。
倉科:それなら有り得なくもないと。警察官であることを証明する身分証を持っていれば、細かいボディチェックまではしないのが現実です。
●いのうえ・ゆみこ/立命館大卒、1991年に『過ぎし日の殺人』(フジテレビ系)でデビュー。『GOOD LUCK!!』『エンジン』など木村拓哉主演作でヒット作を連発し、『白い巨塔』『14才の母』など社会派ドラマでも高く評価される。芸術選奨文部科学大臣賞(2007年)など受賞歴多数。
●くらしな・たかやす/1969年、警視庁入庁。1977年刑事部へ配属以降、鑑識課(検視官)、捜査第一課理事官、機動捜査隊、科捜研の所長などを歴任し警視庁三鷹署・渋谷署の署長を務めた。2004年9月勇退。その後映画・テレビの警察監修として多くの現場で活躍。
撮影■山崎力夫
※週刊ポスト2017年4月21日号