国内
2017.04.18 07:00 SAPIO
築地市場移転問題 古谷経衡氏が歩く「もう1つの豊洲」
深川線の路線跡(塩浜)。路線の先は豊洲方面
◆「痕跡」を探して
豊洲四丁目。瀟洒なマンションばかりが林立する豊洲地区の中にあって、この四丁目だけはかろうじてまだ「比較的」古い町並みが残っている。私はこの街にかつてあった高度成長の痕跡を必死に探した。それにより、歴史を忘却した小池劇場のバカ騒ぎに、過去からの反撃ができるのではないかと考えたからだ。
しかし、昭和末期の団地が残るこの四丁目ですらも、そんな痕跡はどこにもないのだった。1967年に建設が始まった「都営豊洲四丁目アパート」。現在建て替え中で高度成長の痕跡はあらかた重機で粉砕されてしまっている。
往時、石炭を満載して走っていたはずの深川線の跡は、まるでさっぱり綺麗に消し飛んで豊洲公園となり、学童たちが無邪気に遊んでいる。1974年、日本最大のコンビニチェーン、セブン?イレブンの第一号店(旧・山本茂商店)はこの豊洲四丁目から始まるが、当然セブン一号店は他店舗と何ら変わらない。
石川島からIHIへと名を変えた石川島播磨重工業の巨大な本社ビル。同社工場跡地に建設された「アーバンドック ららぽーと豊洲」の敷地内に、かつてこの地が造船工場であったことを窺わせるスクリューや錨が野外展示されているが、強いて言えば高度成長の痕跡はそれくらいだ。この街の大半を占める新住民は、この地が奇跡の成長の前衛だったことすら忘却しているのかもしれない。
1956年(昭和31年)の豊洲地区を描いた地図を頼りに、深川線を探した。どうしてもこの国が最も輝いていた高度成長の「証し」を見つけなければならない気がした。すると、「廃線マニア」のWEBサイトに山のように情報があった。
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