国内

築地市場移転問題 古谷経衡氏が歩く「もう1つの豊洲」

すべて完成し、あとは「GOサイン」を待つだけ

 築地市場の豊洲移転問題が迷走している。責任の所在を巡って百条委員会が開催され、新聞・ワイドショーは連日「犯人」探しを続けている。筆者が向かったのは、石原慎太郎元都知事らの証人喚問に熱狂する都議会ではない。古谷経衡氏が、語られざる、もう一つの豊洲を歩く。

 * * *
 今更ながら豊洲に行ってみた。理由は、「戦犯探し」とばかりに都議会が百条委員会に石原慎太郎元知事を引っ張り出してきたことで、従前から感じていた小池百合子に対する違和感が嫌悪感へと変わったことだ。視聴率が取れる、というほぼそれだけの理由で所謂「豊洲問題」は稚内から石垣島にまで放送され、熱狂的にクローズアップされ続けている。

 なぜ豊洲への市場移転の是非が争われているのか? 

A.土壌から環境基準値を超える汚染物質が検出されたから。ではなぜ豊洲新市場予定地から汚染物質が検出されるのか? 

A.元々この土地は東京ガス所有の工業地だったから──。

 この位の知識はいまやほとんどの国民にとって常識だ。しかしこの豊洲の地になぜガス施設が存在していたのか、その根本の歴史を知る人は多くない。メディアは小池劇場に夢中で、この土地の悠久の過去に無関心だ。

 普段、国道沿いの排気ガスで汚染されまくった空気をたっぷりと換気口から呼吸して平然としていても、すわ「ベンゼンが」「シアンが」と騒がれると目くじらを立てる人々には、歴史の重さよりも小池劇場こそが新鮮に映る。

 まだ始まってもいない豊洲新市場から、まだ出荷されてもいない未来の食品の安全を心配する割に、福島原発事故でばら撒かれた半減期30年のセシウム137や同2万年のプルトニウムには無関心を貫いている。よほど普段から食物に完全無欠を求める「海原雄山」的人生を送っているのだろう。

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
水原一平容疑者の半生を振り返る(C)BACKGRID,Inc/AFLO
《現地レポート》水原一平容疑者「中学時代は帰宅部」同級生が口を揃える“影の薄さ”「騒いでるのをそばで見ているタイプ」「高校の同窓会には不参加」
週刊ポスト
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
女性セブン