移民政策が成功している国は世界に数多い。本気で移民を推進するなら、総理大臣が移民担当大臣を任命して予算をつけ、明治開国期の岩倉使節団のような視察団を各国に送って研究を重ねてから実行すべきだ。
そこまでしないと、今の日本の未成熟な外国人政策では、移民も日本人もハッピーになれない。内外の活動家が「不幸」な移民や外国人労働者を支援し、国連の人権委員会などで日本の人権侵害を訴えて、国内秩序を乱す材料を与えるだけとなる怖れすらある。
外国人参政権の問題と同様に、移民を反日勢力の攻撃材料にしてはならない。
【PROFILE】ケント・ギルバート●1952年、米国アイダホ州生まれ。ブリガム・ヤング大学在学中に19歳で初来日。1980年、大学院を修了し、法学博士号と経営学修士号、カリフォルニア州弁護士資格を取得。東京の弁護士事務所に就職し、法律コンサルタント、マルチタレントとして活躍。『日本覚醒』(宝島社刊)、『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』(講談社刊)、『日本人は「国際感覚」なんてゴミ箱へ捨てろ!』(祥伝社刊)など著書多数。
※SAPIO2017年5月号