これは非核化、平和・安定、対話・交渉を通じた解決など、いわゆる「朝鮮半島3大堅持」という従来の立場を再確認するものだ。
しかし、報道官はこう述べた後、「中国の軍隊は安保環境の要求によって、必要なあらゆる措置を取ることで、国家安保と主権を固く守る」とも付け加え、北朝鮮への事実上の軍事的な侵攻の可能性も否定しなかった。これがいかに刺激的な内容であるかは、中国国防部のホームページにおける定例記者会見の記録及び動画のなかで、この質疑応答についてのみ削除されていることからも明白だ。
【PROFILE】相馬勝●1996年生まれ。東京外国語大学中国語学科卒業。産経新聞外信部記者、香港支局長、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員等を経て、2010年に退社し、フリーに。『中国共産党に消された人々』、「茅沢勤」のペンネームで『習近平の正体』(いずれも小学館刊)など著書多数。近著に『習近平の「反日」作戦』(小学館刊)。
※SAPIO2017年5月号