日本各地に生息する「あさり」。一年を通して入手可能だが、旬は春。しかし、近年、環境悪化などによって漁獲量の激減が懸念されている。
あさりには赤血球を生成する作用があるビタミンB12と鉄が豊富で、貧血の予防・改善、そして肝機能強化に役立つ。さらには、血圧や血糖値、コレステロールを低減させるタウリンも多く含まれ、心臓や肝臓機能向上にも効果がある。このほか、カルシウム、カリウム、クロムなどのミネラルや、アルコールの代謝を促進するナイアシンなど、非常に栄養価が高くうまみの強い二枚貝だ。
ちなみに、あさりは濾過摂食者(餌の取り方の一種で、触手やエラなどで濾過するように餌を取る生き物)で、水質浄化が期待できる。成貝の漉水量は1個体でおよそ1日に10リットルと多く、水質浄化と漁獲回復を狙った干潟再生事業も行われている。
家庭料理研究家の松田美智子さんはこう話す。
「ぷっくりと太った春のあさりは、はまぐりに引けをとらないうまみとやわらかな身がたまりません。とくに、シンプルな酒蒸しは、あさりの滋味を丸ごと味わえる定番。ぜひ“バター2度入れ・塩なし”でお試しを。私が小学生の頃に研究を重ねてたどり着いた黄金率です」
◆あさりの【準備】
あさりは殻が丸みを帯びてふくらみ、口がしっかりと閉じていて、艶のあるものを選ぶ。買ってきたら薄い塩水に漬けて暗所に2時間ほど置き、しっかりと砂を吐かせる。その後、殻をこすり合わせて洗い、水気を切っておく。
◆極上酒蒸しのレシピ
【1】あさり150gは【準備】を参照して下処理しておく。
【2】土鍋などにあさりを入れ、酒大さじ3、バター大さじ1を加えて蓋をし、強火で2~3分加熱する。
【3】殻の口が開いたら、バター大さじ2、パセリのみじん切り大さじ1、白こしょう少量を加えて火を止める。火の通しすぎに要注意。
※女性セブン2017年5月4日号