ライフ

参列者が戸惑う葬式演出、寄せ書きや集合写真呼びかけなど

サプライズに参列者も困惑(イラスト:福島モンタ)

 絶対に笑ってはいけないとされる葬式の場で、それでも思わず参列者の苦笑を誘ってしまう「おかしな葬式」。個性的すぎる演出やオプションに戸惑う人が増えているのだという。

 親族を中心に集まった友人の家族葬に参列した60代の男性は、お棺に花を捧げ、隅の方から故人の顔を見つめながら心の中で思い出に浸っていた。すると突然、葬儀社のスタッフから「(遺体に)声をかけてあげてください」と言われたのだ。男性はその声ですっかり現実に引き戻されてしまったという。

「ご家族の方々は、ご遺体の耳元で最後の思いを伝えていましたが、その近くに行って私が声に出して伝えるべき言葉が急には思い浮かばず、『ありがとうございました』と上ずった声で言うのが精一杯でした。どうしてもっと静かに見送らせてくれないのかと思いました」

 参列者が戸惑ってしまうほどのサプライズ演出を繰り出し、葬式をイベント化する。有限会社佐藤葬祭の佐藤信顕代表取締役は「ごく一部」としながらも、やはり“目に余る例”はあるという。たとえば故人へのメッセージを寄せるホワイトボードや大きな色紙。

「ボードは真っ白で誰も書こうとしていませんでした。急に『一言を』と言われても困るし、みんなから見えるボードに率先して書くのに躊躇する人は多い。余白が目立つので葬儀スタッフがペンを持って参列者一人ひとりに依頼していましたが、そこまでするくらいならボードは必要ないでしょう」(佐藤氏)

 参列者全員にカードが手渡され、故人に捧げるメッセージを書いてほしいと求められることもあるという。

関連キーワード

トピックス

世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
浅香さんの自宅から姿を消した内縁の夫・世志凡太氏
《長女が追悼コメント》「父と過ごした日々を誇りに…」老衰で死去の世志凡太さん(享年91)、同居するスリランカ人が自宅で発見
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト