場所前に、華吹と同期で初土俵を踏んだ北斗龍(三段目、山響部屋)が引退。それによって華吹は通算在位単独トップとなったわけだが、やはりほとんど注目されていない。
それでも、華吹の積み上げた“戦績”は相当なものだ。春場所終了時点での現役力士の通算勝ち星ランキングを見てみると、華吹は錚々たる面々に混じってトップ20に名を連ねている。
優勝37回の白鵬が1021勝でトップ、稀勢の里は777勝で4位のところ、関取にすらなったことがない華吹は11位となる605勝(670敗)をあげているのだ。この数字は短命横綱に終わった大乃国の560勝(319敗)をも上回る。師匠である立浪親方(元小結・旭豊)はこういう。
「僕の生涯成績が364勝341敗(幕内通算160勝198敗)ですからそれより断然多い(笑い)。華吹は関取経験がないので、1場所に7番までしか取ったことがありません。1年で最大42番ですから、勝率5割としても1年間で20勝前後しかできないわけです。600勝は30年ほとんど休まずに土俵に上がり続けた証であり、すごい記録だと思いますよ」(前出・担当記者)
ちなみに華吹の初土俵は立浪親方より1年早く、“師匠は弟弟子”という状態である。八角理事長(元横綱・北勝海)の現役時代とも重なっていることになるのだから、その息の長さがよくわかる。
2011年5月場所で栃天晃(元十両)が44歳2か月で引退して以降、最年長力士となっている。