先代の立浪親方の時代から、30年近くちゃんこ番を担当する華吹。現在は、ちゃんこ長として部屋の力士の健康管理を担っている。華吹が続ける。
「稽古の時間ですか? ちゃんこの仕込みなどもあって、正直な話、十分にないですね。稽古が不足したぶんは、午後からジムに通って鍛えています。毎日のちゃんこの具材は、冷蔵庫にあるものを見て、その日ごとに考えます。
若い力士に白飯をたっぷり食べてもらうためには味付けに工夫しないといけない。食欲が落ちる夏場はスタミナ面に注意が必要。若い子に部屋伝統のちゃんこの作り方も教えないといけない。いつまで現役か? いやぁ、わからないですね」
横にいた立浪親方に「力士の定年は何歳ですか?」と尋ねるも、親方は苦笑して首をかしげるだけ。
「髷が結えなくなったら引退とも聞いたが、そんな力士見たことないしね。体が動き、勝てるうちは現役を続けたいです」(華吹)
史上最年長力士は明治期に活躍した鬼ケ谷で、引退時の年齢は51歳。序二段の600勝力士は、そこまで視界に入ってきている。
※週刊ポスト2017年6月2日号