◆「ちゃんこで忙しくて稽古ができない」
勝ち越しのたびに0.5円が加算される「持ち給金」。累積された額の4000倍が、場所ごとに力士褒賞金として支払われる。
華吹の持ち給金は2012年9月場所で68円0銭となり、一ノ矢(元三段目、2007年11月場所で引退、現・高砂部屋マネージャー)が持っていた「最高位が三段目以下の力士の力士褒賞金額」の記録を更新している。
また現役力士の負け数のランキングでは安美錦(現・十両、最高位は関脇)が806敗で1位だが、2位だった朝赤龍が場所前に引退し、華吹は通算負け数現役2位となった。
そんな華吹の長い現役生活の中でのハイライトは2003年9月場所だった。華吹自身が振り返る。
「西三段目74枚目で初日から6連勝したんです。7連勝なら幕下昇進、優勝決定戦に勝てば三段目優勝の可能性もありましたが、最後に勝てませんでした」
それでも46歳で迎えた先場所は西序二段60枚目で4勝3敗と勝ち越しているのだから驚かされる。