ライフ

60歳以上の医師 全体で23.5%、“町医者”では44.5%

看る側の高齢化も深刻

 主治医の年齢が60歳以上になると患者の死亡率が急上昇する──米ハーバード公衆衛生大学院の研究者で内科医の津川友介氏らが、英国の医学雑誌の権威『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』(5月16日付)に発表した論文の要旨である。

 津川氏らは、2011~2014年に内科系の疾患で米国の病院に入院した65歳以上の患者約73万人の主治医1万8854人について、年齢や性別、どの大学を何年に卒業したか、どんな医学研修を受けてきたか、といった経歴が、患者の「30日死亡率」(入院してから30日以内に死亡する割合)にどう影響するのかを検証した。

 その結果、「年齢」に関して驚きのデータが出た。40歳以下の若手医師が担当したケースの30日死亡率が10.8%だったのに対し、40代だと11.1%、50代なら11.3%となった。さらに60歳以上になると12.1%と、主治医が高齢になるにつれて死亡率は上がっていったのである。

 人口全体の高齢化に伴い、日本では医師の高齢化も着実に進んでいる。厚労省の「医師・歯科医師・薬剤師調査」によれば、60歳以上の医師の人数は、2004年で5万1870人(医師全体の20.3%)だったが、2014年には6万9857人(同23.5%)まで増加。今では日本の医師の4人に1人が60歳以上。70歳以上の医師は2万6725人で全体の9.0%にあたる。ベッド数が19床以下の診療所(町医者)になると、60歳以上の割合は44.5%にまで跳ね上がる。米国の医療事情に詳しい医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が指摘する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《ラーメンにウジ虫混入騒動》体重減少、誹謗中傷、害虫対策の徹底…誠実な店主が吐露する営業再開までの苦難の40日間「『頑張ってね』という言葉すら怖く感じた」
NEWSポストセブン
広島・広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
【「便器なめろ」の暴言も】広陵「暴力問題」で被害生徒の父が初告白「求めるのは中井監督と堀校長の謝罪、再発防止策」 監督の「対外試合がなくなってもいいんか?」発言を否定しない学校側報告書の存在も 広陵は「そうしたやりとりはなかった」と回答
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
大谷翔平&真美子さん、イチロー&弓子さん、賀来賢人&榮倉奈々、反町隆史&松嶋菜々子…“しあわせな結婚”を実現した理想の有名人夫婦
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《過激すぎる》イギリス公共放送が制作した金髪美女インフルエンサー(26)の密着番組、スポンサーが異例の抗議「自社製品と関連づけられたくない」 
NEWSポストセブン
1990年代、多くの人気バラエティ番組で活躍していたタレント・大東めぐみさん
《交通事故で骨折と顔の左側の歯が挫滅》重傷負ったタレントの大東めぐみ「レギュラーやCM失い仕事ほぼゼロに」後遺症で15年間運転できず
NEWSポストセブン
ポータブルトイレの大切さを発信するYoutuber・わさびちゃん
「そもそもトイレの話がタブー過ぎる」Youtuberわさびちゃんが「トイレ動画」を公開しまくるようになったきっかけ「芸人で恥ずかしいこともないし、夫に提案」
NEWSポストセブン
1990年代、多くの人気バラエティ番組で活躍していたタレント・大東めぐみさん
《事務所が猛反対もプロ野球選手と電撃結婚》元バラドルの大東めぐみ、人気絶頂で東京から大阪へ移住した理由「『最近はテレビに出ないね』とよく言われるのですが…全然平気」
NEWSポストセブン
全国で車中泊をしているわさびちゃん夫婦。夫は元お笑い芸人のピーチキス・けん。
YouTuber・わさびちゃんが「トイレ動画」でバズるまでの紆余曲折「芸人時代に“女”を求められたり、男性芸人から嫉妬されたり…」
NEWSポストセブン
悠仁さまに関心を寄せるのは日本人だけではない(時事通信フォト)
〈悠仁親王の直接の先輩が質問に何でも答えます!〉中国SNSに現れた“筑波大の先輩”名乗る中国人留学生が「投稿全削除」のワケ《中国で炎上》
週刊ポスト
「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《借金で10年間消息不明の息子も》ビッグダディが明かす“4男5女と三つ子”の子供たちの現在「メイドカフェ店員」「コンビニ店長」「3児の母」番組終了から12年
NEWSポストセブン
女児盗撮の疑いで逮捕の小瀬村史也容疑者(37)。新たに”わいせつ行為”の余罪が明らかになった
「よくタブレットで子どもを撮っていた」不同意わいせつ行為で再逮捕の小瀬村史也容疑者が“盗撮し放題だったワケ” 保護者は「『(被害者は)わからない』の一点張りで…」
NEWSポストセブン
成年式を控える悠仁さまと第1子を出産したばかりの眞子さん(写真・右/JMPA)
眞子さん、悠仁さまの成年式を欠席か いまなお秋篠宮家との断絶は根深く、連絡を取るのは佳子さまのみ “晴れの日に水を差す事態”への懸念も
女性セブン