●「大関獲り」のハードルが下がっていた?
土俵上では、優勝争いとともに焦点となったのが、関脇・高安の大関獲り。協会内では大関昇進の目安は「直近3場所合計で33勝以上」だ。高安は前2場所で23勝。今場所10勝が必要とされてきた。
「ところが、6日目に土がつくと、協会内では『9勝でも昇進させていいのでは』という声が上がり始めた。やはりモンゴル3横綱1大関に囲まれ、稀勢の里が孤軍奮闘を続けられるのかという懸念があるのでしょう。終盤の大関・横綱同士の取組にガチンコの田子ノ浦部屋勢が登場すれば、春場所のような大逆転も起きやすくなる」(協会関係者)
心配をよそに高安は12日目に10勝に到達。11勝4敗で場所を終え、大関昇進は確実となった。来場所、ガチンコ日本人横綱・大関の揃い踏みが実現すれば、土俵のさらなる盛り上がりが期待される。
●ガチンコ十勇士に負け越し続出のワケ
ガチンコ勢には大声援が送られた。場所前、本誌は注目力士として、高安に加え、玉鷲(関脇)、御嶽海(小結)、嘉風(小結)、千代の国(前頭1)、正代(前頭5)ら幕内上位にズラリ並んだ「ガチンコ十勇士」を挙げた。
ただ、高安とは対照的に千代の国、隠岐の海(前頭2)、大栄翔(前頭3)らは早々に負け越しとなってしまった。古参力士がいう。