「今まで多少の事実誤認があっても、陛下や皇族方のお気持ちに寄り添う内容であれば宮内庁は静観するケースが多かった。しかも今回の記事の陛下の思いは多くの国民も共感していることです。それを即座に強く否定することに違和感を持った人は多いですよ」
宮内庁の抗議の内幕を、前出の政界関係者が明かす。
「毎日の報道を見て、安倍首相は官邸の一室でかなり気色ばんだそうです。自分がリードした方針を陛下に否定され、議論が再び混沌とすることに忸怩たる思いを抱いたようです。宮内庁内部の『安倍派』がそうした安倍首相の言動を目の当たりにし、『忖度』したからこそ、宮内庁は毎日報道に過剰なまでの反応を見せたのでしょう」
森友学園の土地入手、加計学園の獣医学部新設、そして「首相ベッタリ記者」の準強姦逮捕直前からの一転不起訴──。最近、世間を賑わせているすべての火種に通じるのが「安倍首相の『ご意向』が働いたのではないか」という疑念である。
加計学園の疑惑追及の急先鋒である前文部科学事務次官の前川喜平氏は、6月3日の『報道特集』(TBS系)でこう明かした。
「われわれは志をもち、世の中のために仕事がしたいと思って国家公務員になるんです。(国民)全体の奉仕者として、公僕として仕事がしたいと思っているんですが、最近は一部の権力者の下僕になることを強いられることがある」
一部の権力者とは、他ならぬ安倍首相のことだろう。
撮影/雑誌協会代表取材
※女性セブン2017年6月22日号