国内

宮内庁内部の安倍派が「陛下公務否定」報道に過剰反応

5月27~29日、植樹祭にご臨席された両陛下

「国民体育大会」「全国豊かな海づくり大会」と並んで、天皇皇后両陛下が毎年足を運ばれる『三大行幸啓』の1つが「全国植樹祭」だ。5月27~29日、両陛下は植樹祭へのご臨席のため富山県を訪問された。

「両陛下は式典でタテヤマスギなどの苗木を植えられました。また、『高志の国文学館』を訪れられた際には、高岡市出身で『ドラえもん』の作者の藤子・F・不二雄さんの話題になり、美智子さまはどこでもドアについて楽しそうにお話しになっていました」(皇室記者)

 来年末の「生前退位」が近づいている中にあっても、両陛下はこれまでとなんら変わらないご様子で公務を果たされている。特例法案は6月中にも国会で成立する見通しだ。

「法案の作成に至るプロセスや、その中で整理された基本的な考え方は『将来の先例』になり得る」

 両陛下の帰京から3日後の6月1日、菅義偉官房長官(68才)はそう明言し、未来の天皇への適用にも一定の道筋をつけた。

「悲願とされてきた皇室典範の改正とまではいかなかったものの、将来の天皇にも生前退位の道が開かれて、陛下もほっと胸をなで下ろされているのではないでしょうか。もう1つのポイントだった『女性宮家』の創設についても、“検討する”と法案に明記されることになり、懸念は少し解消されたように感じられます」(皇室ジャーナリスト)

 だが、それは甘すぎる見通しなのかもしれない。安倍晋三首相(62才)に近い政界関係者が明かす。

「世論を見て、最近になってようやく陛下に寄り添う姿勢をとり始めましたが、安倍首相自身は恒久的な制度設計には後ろ向きだといわれています。1年半後に皇太子さまが即位されたとしても、その次、皇太子さまの生前退位の議論が行われるのはずいぶん先の話ですからね。女性宮家創設の議論も時期をはっきりさせず、先送りする構えが感じられます。むしろ、悲願の憲法改正にひた走りたい時期に、『生前退位のご意向』や『眞子さまのご婚約検討』が報じられたことで皇室にまつわる問題に時間を取られることになり、苦々しくさえ思っているようなのです」

◆一部の権力者の下僕になっている

 5月21日、毎日新聞朝刊の1面トップにこんな見出しが躍った。《陛下 公務否定に衝撃》。記事を要約するとこうだ。

 昨年11月、退位を巡る政府の有識者会議によるヒアリングで、安倍首相の意向で選ばれた専門家から「天皇は祈っているだけでよい」といった意見が出たことに、陛下が強いショックを受けられた。国民と触れ合われ、ともに歩まれる象徴天皇像を模索されてきた陛下にとって、生き方を全否定するような内容に不満を感じられている。また陛下は生前退位を「一代限り」とする政府方針にも「自分の意志が曲げられるとは思っていなかった」と強い不満を示された──。

 それに対し、宮内庁は素早い反応を見せた。翌22日の会見で、西村泰彦宮内庁次長は報道を真っ向から否定。「陛下が話された事実はない」とし、「極めて遺憾」と抗議した。ベテラン皇室ジャーナリストが指摘する。

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン