父親だけでなく、母親の血統を辿っても面白い。角居厩舎でいえば、2005年のオークスを勝ったのがシーザリオ(父はスペシャルウィーク)。2010年にそのシーザリオとシンボリクリスエスの間に生まれたのがエピファネイア。2013年にキングカメハメハとの間に生まれたのがリオンディーズで、ともにGIを勝ってくれました。スペシャルウィークはSS産駒ですから、シーザリオの相手にはSSが入っていない種牡馬をつけたわけです。
こういった配合は、調教師が関与するところではありませんが、競馬の面白さを実感できるところです。
●すみい・かつひこ/1964年石川県生まれ。2000年に調教師免許取得、2001年に開業。以後15年で中央GI勝利数23は歴代3位、現役では2位。今年は13週連続勝利の日本記録を達成した。ヴィクトワールピサでドバイワールドカップ、シーザリオでアメリカンオークスを勝つなど海外でも活躍。引退馬のセカンドキャリア支援、障害者乗馬などにも尽力している。引退した管理馬はほかにカネヒキリ、ウオッカなど。『競馬感性の法則』(小学館新書)が好評発売中。
※週刊ポスト2017年6月16日号