飛行機のライセンスは機種ごとに発行されるが、この零戦には代わりの機体がない。そのため、岡山で保管していた機体を分解してアメリカに送り、再度組み立てて操縦訓練を重ねた。ついに今年5月にライセンスを取得。東京湾での飛行は、柳田氏自身にとっても長年の念願が叶った瞬間だった。
日本人の零戦を日本人のパイロットが操縦して日本の空を飛ぶ──ひとつのプロジェクトを終えた今、「大事なのはこれからも飛び続けること」と石塚氏は語る。現代に甦った零戦はさらなる大空に向かって飛び立とうとしている。
写真■ゼロエンタープライズ・ジャパン
※週刊ポスト2017年6月23日号