──不満はあっても声を上げにくい。現在の政権は巧妙に批判や反論を口にさせない「空気」を漂わせている。今や日本では、「空気を支配する力」が政治権力そのものになったのではないか。
小沢:やっぱりメディアを抑えているのが効いている。権力に対する恐怖感なのか、媚びへつらいなのかわからないけれど、新聞、テレビは完全に抑えられた。一時は朝日新聞も完全に沈黙したからね。
だけど最近、加計学園でも朝日と毎日は政権批判を始めた。少しずつ変わりつつあると思う。
それにやはり野党の責任が大きいと思う。安倍政権を倒して、じゃあ誰がやるの、と。(反政府軍の)大将がいないのに権力に逆らったら、それは潰されるだけです。だから、みんな腹の中で不満を抱えていながら従っている。農協を見ればわかるでしょう。これだけ安倍政権に叩かれて解体寸前なのに、それでも自民党を支持しているんだからね。
●聞き手/武冨薫(政治ジャーナリスト)
※週刊ポスト2017年6月23日号