そもそも「児童相談所」っていうのは、戦後の混乱期に浮浪児がいっぱいて、その子たちが相談するためにできたものだから、そういう名前になったわけだ。でも、今となっては「何を相談するんだ?」っていう感じでしょ。だから、「児童保護センター」もしくは「児童保護局」っていう名前に変える。僕は作家だから言霊を信じている部分もあって、やっぱり名前が変われば人も変わる。「相談所」から「保護センター」になれば、局員も「子どもを保護せなあかんのや!」って自然と意識も変わってくるはずで、虐待数も減っていくと思う。
あと、小中学校については、先生の雑務が多すぎて教育指導に集中できない状態を改善するというのが目標。小学校の学区というのが、今の社会のいちばん小さなコミュニティーだと思うんだけど、そこには定年退職したばかりでまだまだ元気な人とか、第一線を退いて時間を持て余している元社長とか、そういう大人がたくさんいるんだよ。その人たちを学校の職員として雇用して、学内のいろんな雑務をやってもらえば、先生の負担はかなり減る。しかも、その大人たちは地元とも連携が取れるはずだから、子どもたちの家庭環境なんかも、先生よりはもっと把握しやすいんだよ。先生が子どもを指導したらモンスターペアレンツが出てくるかもしれないけど、地域に根ざしている大人がちゃんと叱るのであれば、モンスターペアレンツも出にくいし、家族ぐるみで対話しやすい。
地域コミュニティーの連携は強くなるし、モンスターペアレンツの問題も減るし、教育レベルは上がるしで、すごくいい方法だと思うよ。退職して濡れ落ち葉になっていたお父さんたちも、地域の中でしっかり役割をもらえて、しかも給料ももらえるんだから、奥さんも嬉しいはずだよ。
──高等教育についてはどんな政策を考えていますか?
勝谷:兵庫県は灘高、甲陽学院、白陵、六甲学院もあるし、私立の中学・高校のレベルはものすごく高い。でも、レベルが高いから、大学になるとみんな東京に出てしまって、兵庫県に帰ってこなくなっちゃう。それが結局人口転出の大きな原因になっているわけだ。この状況を改善するには、東京で大学を卒業した若者たちを兵庫県に再び呼び戻すための受け皿が必要になってくるわけで、たとえば公立大学の大学院の強化や研究施設の設置を考えている。兵庫県は日本酒出荷量日本一の県だからね。醸造研究所は是非とも作りたいと思っている。
県が出す返済不要の奨学金制度も実現したい。これは選ばれた学生だけがもらえる特別な奨学金。頭がいいかどうかで選別するのではなく、とにかく勉強が好きな学生がもらえるという奨学金だね。学びたい人がとことん学べる環境を用意することが、県の教育レベルを上げることにつながると思う。
あと、これは政策目標ではなく、僕自身の「哲学」なんだけど、「アホな大学には行かんでいい」っていうことをどんどん言っていこうと思う。奨学金をもらってアホな大学に通って卒業しても、そんな高給はもらえずに、奨学金が借金になるだけでしょ。今キャバクラや風俗に行ったら、お金が必要だっていう女子大生がたくさん働いているわけだよ。僕が風俗ライターをやってたころなんて、女子大生が働いているっていうだけでニュースになっていたのに、今じゃあ当たり前だっていうんだからね。わざわざ借金を作るために、アホな大学に通っているような子もいるんだよ。これはおかしいと思う。